師走の光景もあまり感じられなくなった。

その中でも年越しそばは今も健在。

大晦日に食べるのが年越しそばだが、私は最近一足早く都内の老舗の蕎麦屋で年越しそばを食べるのか習わしとなっている。

今年は神田の老舗蕎麦屋を二軒はしごした。

神田には多くの老舗蕎麦屋がある。その中でもまだ行ったことのなかった「尾張屋本店」と「浅野屋本店」を訪れた。

12月28日の午後。

年越しそばには一足、いや二足早い。

地下鉄小川町を出て靖国通りを歩くと、向かいには老舗の蕎麦屋「まつや」が見える。

店の外には十人以上の列が出来ていた。相変わらずの人気である。

靖国通りから神田駅の方に向かう。

最初に訪れたのは「尾張屋本店」。

大正12年創業の歴史ある蕎麦屋である。

路地を入ったところに堂々たる建物がそびえる。

見上げると壁に大きな文字で店の名前が書かれている。

 

蕎麦屋の店構えはどこも風情を感じさせる。

 

 

 

 

 

店内は結構混んでいたが待つことなく席に案内された。

 

中二階のような席であった。

隣の男性が一人で、ビールを飲みながらニシンの煮つけを食べているのが何とも幸せな光景に見えた。

 

 

メニュー。

 

 

 

今日はもりそばだけ食べると決めていた。

もりそばの大盛を注文した。

 

これが大盛りだが、そばだけ食べるにはこれでも少なく感じる。

 

やや白っぽい麺。

 

薬味とそばつゆ。そばつゆはやや薄めである。

 

 

そばは細い。ちょっと太いそうめんといった感じ。

 

なるべくゆっくり味わおうと思ったが、ぺろっと平らげた。

 

最後は蕎麦湯で〆。

 

 

さて次はここから少し歩き「浅野屋本店」へ。

ここも路地を少し入ったところにある。

やはり店構えは風情がある。

 

 

 

 

 

 

店に入ったのが夕方4時頃であったので店内は空いていた。

 

 

浅野屋本店は創業が明治5年というから100年以上の歴史がある。

浅野屋という屋号は、創業当時の店舗の大家さんが浅野家に出入りしていた大工ということでその名を使ったという。

 

メニュー。

 

 

 

 

 

ここのそばは一般的な二八そばではなく、そば粉1kgに小麦粉200gという外二八といわれる。二八そばはそば粉800gに小麦粉200gの割合である。

そば粉の割合が多いのである。

 

もりそばを注文した。

 

外二八そばの麵。こちらは一般的なそばの色と太さ。尾張屋に比べると濃い色で、やや太く感じる。

 

薬味とそばつゆ。

 

そばつゆは濃い目の甘辛いつゆ。

 

大盛ではないので、二件目だがぺろっと平らげた。

 

やはり〆は蕎麦湯。

 

 

まさに老舗の蕎麦屋のはしごであった。

大晦日はどちらも一年で最も忙しい日。

行列は必至であろう。