2011年3月11日午後2時46分にマグニチュード9というとてつもない大きさの地震が発生し、東日本大震災をもたらした。
当時のことがまだ目に浮かぶ。
あれから10年。
様々な特集がされていたが、私はあえてそう言ったものを見ることがなかった。
そんな中で、「震災と未来」展といいう企画が行われているのを知り行ってみたくなった。
お台場の科学未来館で開催されている。
事前に予約していく。
入場料は無料だ。
訪れたのは3月8日の午後であった。
小雨の降る肌寒い日であった。
科学未来館はお台場にある。
ここらはいわゆる臨海部である。
建物も町並みも整然としている。
しかし人影はまばらで、生活感は感じられない。
この展示は期間限定の特別企画。
震災からの10年を振り返り、未来へつなげるというもの。
3つのゾーンからなる。
震災直後の様子を伝える、ZONE1。
まず津波の映像が流される。
そしてNHKのニュース映像が震災発生時から72時間の流れで映し出される。
NHKの記者が書き記した事故の様子。
街の復興の様子が描かれる。
福島第一原子力発電所事故の様子。
東日本大震災は、大津波とそしてなんといっても原発の事故に象徴される。
人類は何というものを作ったのか。
如何に原発事故が大きな影響を後々まで残すのか。
原発の処理が終わらない限り震災の復興はないといっていい。
当時の避難所の様子が再現されたもの。
震災で亡くなった家族へのメッセージ。
このフォトとメッセージは感動。目頭が熱くなる。
ZONE2は10年間の復興10年間。著名人の支援の品々も。
このゾーンは撮影禁止であった。
そして何度聞いたかわからない復興支援ソング「花は咲く」とそれに合わせて映像が流れる。
アンケートの結果。
復興が思い通りに進んでいない現状がわかる。
ZONE3は東日本大震災から学び、これからの防災に生かすこと。
「天災は忘れたころにやって来る」という格言がある。
これは物理学者の寺田寅彦が言ったこととされる。
阪神大震災以後私は寺田寅彦の随筆の短い一編「天災と国防」を折に触れ読んでいる。
90年ぐらい前に書かれたものだが、私の座右の書になっている。この中で寺田は日本は常に災害に備えなければならない、そして過去の災害を忘れてはならないと強く訴えている。
今や「天災は忘れる間もなくやって来る」ようだが。
今回震災と未来展を見学して、改めてその思いが強くなった。
そしてまた「天使と国防」を読んだ。