この時期は東京神田では恒例の「神田古本まつり」が開催される。
しかし今年は新型コロナの影響で中止となった。
今日その神保町に出かけた。
古本が目的ではなかったが。
この日は地下鉄の九段下駅から歩いて神保町に向かった。
神保町の交差点の手前から古本屋の店舗が並ぶ。
しかしある古本屋がないことに気づいた。
それは山陽堂書店。
この日は祝日で休みの店もあったが、山陽堂書店の看板も見当たらない。
近くの古書店の人に訊ねたら、昨年いっぱいぐらいで閉店したということであった。
山陽堂書店は岩波書店の古本をメインに扱う古本屋であった。
特定の出版社の古本を中心に扱う古書店当時としても珍しかった。
学生時代から神保町の古本屋に通い始め、20代のころはそれこそ足しげく通った。
中でも山陽堂書店には必ず立ち寄り、多くの本も購入した。
最近は神保町にはよく出かけるが古本屋をじっくり見て回るということは少なくなっていた。
以前早稲田の古書店街を久しぶりに訪れたが、多くの店が無くなっていた。
かつての古本屋街というイメージではなくなっていてさみしい思いがした。
しかし神保町の古本屋街は今もほとんど変わらぬ姿を保っていたように思う。
そんな中で山陽堂書店の閉店は驚きとともにやはりさみしかった。
ここに山陽堂書店があった。
山陽堂書店のすぐ近く神保町交差点の角には神保町ブックセンターがある。
ここはかつて岩波ブックセンターがあった。
数年前神保町ブックセンターに変わりカフェスタイルの書店となった。
しかしそこでは岩波書店の書籍が中心に売られていて、たぶん岩波書店の現在出版されている本はほとんど揃っているのではないだろうか。
神保町に来た時はここに立ちよりコーヒーを飲みながら、本を探したり、買った本を少し読んで帰る。
しかしこの日は店内の席はほぼ満席という盛況ぶりであった。
古本まつりが中止になったのもさみしいが、山陽堂書店が無くなったのはさらにさみしかった。