下高井戸の駅前に一軒の古本屋がある。
「古書 豊川堂」
いわゆる街の古本屋である。
数年前初めて店に入って掘り出し物を一冊手に入れた。
こういう街の古本屋では掘り出し物を発見することがよくある。
暫く行っていなかったが、最近いつもシャッターが閉まっていた。
閉店したのかと思って、近所の商店の人に訊ねてみた。
そうしたら土曜日だけやっているということであった。
昨日の土曜日に行ってみた。
この日は昼間早稲田の古本屋街を歩いた帰りであった。
久しぶりの早稲田の古本屋もすっかり軒数が減っていた。
初めて訪れた1980年代とはすっかり様変わりした感があった。
その帰りに立ち寄った。
18時近かったが店は開店していた。
以前は奥の座敷に年配の夫婦が座っておられた。
店内の女性の店員さんに訊ねてみた。
最近いつもシャッターが締まっていてやめられたのかと思っていたと。
そうしたら、父が亡くなったので今は土曜日だけ12時から18時まで店を開けているといわれた。
娘さんが引き継いで店をやられているようだ。
今書店を取り巻く経営環境は厳しいようで、古本屋も例外ではない。
軒数が減少の一途である。
特に街の個人書店はどんどんなくなっている。
下高井戸の商店街にも小さな書店があったが数年前に閉店した。
さて豊川堂は今後どうなるのであろうか。
頑張ってもらいたいと思うほかない。
店内は本がきれいに整理されて並べられていて見やすい。
この日閉店間際であまりゆっくり眺めることはできなかったが、一冊の本を買った。
掘り出し物といえる。
またゆっくり探しに来たい。
たぶん買いたい本がきっとあるような気がする。