「ドレミの歌」を初めて唄ったのは子供のころ。
その後この歌が映画「サウンド・オブ・ミュージック」の中で歌われた歌と知る。
しかしこの年になるまでその映画すら見たことはなかった。
先日、「サウンド・オブ・ミュージック」をDVDで観た。
1965年に公開されたミュージカル映画。
それまでにもミュージカルとしても上演されている。
 
「サウンド・オブ・ミュージック」は1930年代、第二次世界大戦前夜、オーストリアのザルツブルグを舞台に、修道女マリアがオーストリアの元海軍大佐の一家に家庭教師として招かれ、後に子供たちの母親になり、大佐の夫人となり、一家を音楽ファミリーへと育てていく。しかしナチスから逃れるためアメリカへ亡命するまでを描いている。
マリア・フォン・トラップの著書「THE STORY OF THE TRAPP FAMILY SINGERS」の実話をもとに、その前半部分が描かれる。
著書ではその後アメリカでの音楽一家の活動が書かれている。
 
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映画ではミュージカルだけに歌が多く登場する、最初に出てくる「私のお気に入り」はどこかで聴いたことがある。JR東海のCM、「そうだ京都に行こう」に流れたメロディー。「エーデルワイス」も学校で習った曲。
しかし何と言っても「ドレミの歌」が印象に残る。
映画の中では、厳格な軍隊式の生活を強いられ、歌も知らない子供たちに、マリアがアルプスの草原を舞台に、歌の素晴らしさを教える場面で登場する。
そして子供たちは歌の魅力に引き込まれていく。
この場面は何度も繰り返し観た。
 
さて私たちが知っている「ドレミの歌」は日本語の歌詞である。
作詞したのは歌手のペギー葉山。
ペギー葉山は「学生時代」「南国土佐を後にして」などの曲が知られる。
1960年アメリカに招かれたペギーは、そこでブロードウェイのミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」を観て感動し楽譜を購入、ホテルに帰り「ドレミの歌」の作詞に取り掛かる。
ドはドーナツ、レはレモン、ミはミカン、ファは・・・・、最初は食べ物を並べようとしたがファで行き詰る。ファンタが出たが商品名。
発想を変え元気の出るものにと、今の詞ができたという。
 
ドは ドーナツのド
レは レモンのレ
ミは みんなのミ
ファは ファイトのファ
ソは 青い空
ラは ラッパのラ
シは しあわせよ
さあ うたいましょう
 
どんな時にも
列を組んで
みんな楽しく
ファイトをもって
空をあおいで
ラン ラ ラン ラン
ラン ラン ラン
しあわせの歌
さあ 歌いましょう
 
原曲は一番のみであったが、ペギーが日本に帰り、コンサートに向かう車窓から見た子供たちの元気な姿が目に止まり、二番の詞が付け加えられた。
 
さて、原曲はどんな詞の内容であるのか興味がわく。
当然映画では英語の詞で歌われている。
 
Doe a deer A female deer
Ray a drop of golden sun
Me a name I call myself
Far a long long way to run
Sew a needle pulling thread
La a note to follw sew
Tea a drink whith jam and bred
 
映画の日本語字幕では次のように訳されている。
 
ドーは Doe 雌の鹿
レーは Ray 太陽の金色の滴
ミーは Me 私のこと
ファーは Far 遠い道の向こう
ソーは Sew 針と糸の仕事
ラーは ソーの次の音
ティーは Tea パンと一緒にどうぞ
 
これでは直訳しても歌の意味は伝わらないし、曲に合わない。
 
映画「サウンド・オブ・ミュージック」を初めて観て、ミュージカルには全く興味が無かった私であったが、その魅力が少しは理解できたような気がする。
そして、「ドレミの歌」は音と言葉の組み合わせにより子供たちの心をとらえ、一家を変える歌となった。
歌の持つ力を教えられた。
 
日本で歌われる「ドレミの歌」も半世紀経った今でもその魅力は色あせていない。
今は小学校4年生の音楽の教科書に載っていて、教えられているとのこと。