今新茶の季節である。
この時期摘まれた茶葉が新茶となる。
初夏を感じさせる飲み物である。
日本茶は日本人に古くから飲み親しまれてきた飲料である。
最近では日本茶もペットボトルなどで売られており「がぶがぶ飲む」ものとなったが、日本茶といえば急須で入れて湯飲み茶碗に注ぎ、時に茶柱が立つのを眺めながら飲んだものであった。
 
茶摘みの様子を歌った唱歌に「茶摘」がある。
1912年(明治31年)に教科書に登場した。
「八十八夜」の意味もこの歌で知り、茶摘みのイメージはこの歌によるところが大きい。
 
夏も近づく八十八夜
野にも山にも若葉が茂る
「あれに見えるは茶摘じゃないか
あかねだすきに菅の笠」
 
日和つづきの今日此頃を
心のどかに摘みつつ歌う
「摘めよ摘め摘め摘まねばならぬ
摘まにゃ日本の茶にならぬ」
 
立春から数えて八十八日目の日が八十八夜。5月2日ごろで、初夏のこの時期はすがすがしい晴天が続き、農作業に都合の良い気候でもある。
お茶の木もこの時期新芽を出し茶摘が行われる。
私は最近まで茶畑というものを実際に見たことはなかった。
まして茶摘の光景もである。
茶摘はこの歌にあるように、茜襷に菅の笠をまとった女性が手で摘んでいるものと思っていた。
現在商品としての茶を生産する茶畑で手摘みが行われるのはごく少量で、そのお茶は特別なもので高価なものであるらしい。
ほとんどは機械で摘まれるのである。摘まれるというよりは刈り取られるのである。
 
今日その光景を目にした。
狭山茶の生産地である入間市にある茶畑。
そこで機械を使って茶を刈り取る様子。
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機械で刈り取られた茶葉が袋に集められている。
これが今の「茶摘」の光景である。
狭山茶は春と夏の二回摘採が行われるそうだ。
近くのお茶屋さんには新茶が出ていたので早速買って飲んだ。
 
ちなみに「茶摘」の歌の括弧の詞の部分は古くからの茶摘唄から引用されたものである。
夏も近づく八十八夜・・トントン。
と合いの手が入る、親しみやすい歌である。
そして毎年この時期に必ず思い浮かぶ歌である。