今女性の黒髪が復活しているそうな。
落ち着いて見られる、清楚な感じがするなどが理由のようで、タレントが黒髪にしているのも影響しているらしい。
本来日本人の髪の色は黒いのであり、それをわざわざ他の色に変えている。
特に若い女性は黒髪の人が少ない。
私は女性の黒髪に魅かれる。
 
女性の髪のことになると、ある詩を思い出す。
そしてその詩集を引っ張り出して味わうのである。
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島崎藤村の詩の中に髪のことをうたったものがある。
遠き別れに耐えかねて・・・・のくだりのある詩。
この詩は「惜別の歌」の歌詞に使われている。
小林旭の歌で知られている歌である。
中央大学の学生歌でもある。
藤村の元の詩はひらがなのみであるが、
 
きみがさやけき めのいろも
きみくれないの くちびるも
きみがみどりの くろかみも
またいつかみむ このわかれ
 
「惜別の歌」では3番にあたる。
君が緑の黒髪 とはどんな髪だろうと思ったものであるが、
緑の黒髪とは、つやのある美しい黒髪のことのようである。
美しい黒髪を表す言葉としてこの「緑の黒髪」、また「烏の濡れ羽色」などがある。
 
そして初恋という詩がある。
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この詩も歌謡曲として歌われた。舟木一夫が歌った。「初恋」
私が持っている岩波文庫は30年ぐらい前に買ったもので、旧字体であるがそれがまた味があっていいので、ずっとこの本を大切に手元に置いてきたのである。
 
まだあげ初めし前髪の・・・
この詩が書かれた明治時代は少女は今でいうおかっぱ頭をしており、12、3歳で大人になった証に髪を結いあげたのである。
その髪の毛に自分の吐息がかかる・・・
 
こんな初恋、今読んでも何かときめくものを感じさせる。
 
もう一度。
 
君がさやけき 目の色も
君くれないの 唇も
きみがみどりの 黒髪も
 
まさに清楚な女性が目に浮かぶ。
 
私は、やはり黒髪に魅かれる。
しかし女性に対してはいつも後ろ髪をひかれる思いなのである。