今日家でラジオを聴いていたら、吉川美代子アナウンサーの担当する番組で、自身が書かれた本について話されていたので興味がわき、早速書店で購入して読んだ。
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吉川美代子アナウンサーについては、私には忘れられない思い出がある。
今から29年前のこと。経済学者の向坂逸郎氏が亡くなられたのであるが、そのニュースを最初に見たのがTBSのニュース番組で、そのニュースを読まれたのが吉川美代子アナウンサーであった。
向坂氏が亡くなられたのはニュースの前にある人から聞いてはいたが、そのニュースを見て改めて実感がわいた。ニュースとそれを読んだアナウンサーを覚えているのはこれぐらいである。
 
さて吉川美代子さんは、新卒でTBSのアナウンサーとなり以来今日まで現役のTBSアナウンサーである。来年定年を迎えるようである。
現在はコメンテーター、アナウンススクールでの後進の指導、話し方講座などで活躍中。
一貫してTBSアナウンサー一筋。女性アナウンサーで定年まで勤めるのは珍しい。
吉川さんのプロのアナウンサー、特に女性アナウンサーとしての誇りと、思いがこの本に込められている。
話し方、言葉の正しい使い方、いわゆる最近の「女子アナ」に対しては厳しく、共感させられるものがある。
最近の女子アナの人気はアナウンサーとしてよりむしろタレントに近いものがある。
本当にプロのアナウンサーとしての意識があるのであろうかと思わせる。むしろ局の方がそういう方針なのかもしれない。
そうした中で吉川さんは、あくまでもプロの女性アナウンサーとしてのあるべき姿を語っているのである。
 
私は最近テレビをほとんど見ない。もっぱらラジオを聴いている。家でも、車の中でも。
そしてつくづく、アナウンサーの本領が発揮されるのはラジオではないかと思うようになった。
映像や字幕もなく言葉だけで物事を伝えていくのは大変なことである。
そしてアナウンサーとはやはり声と言葉で相手の心に印象を与えるものであると思う。
元NHKのアナウンサー加賀美幸子さんの声は印象に残っている。特にナレーションは落ち着いた口調であるが迫力を感じさせる。
今でも毎日のように耳にするが、遠藤泰子さんの声もいい。実際あるコンサートで話を聴いたが、年齢を感じさせない張りのある声である。
男性の声で印象に残っているのは、アナウンサーではないがFMの深夜番組「ジェットストリーム」のナレーションの城達也さん。
夜の12時「ミスター・ロンリー」の曲が流れ「遠い地平線が消えて 深々とした夜の闇に 心を休めるとき・・・・」
このナレーションは一日の終わりに一服の安らぎを与えてくれたものである。今でもたまにCDで聴いている。
 
話はそれたが、この吉川さんの書かれた本は、最近のアナウンサーに対して私が思っていたことを改めて考えさせてくれた。
そして私自身、最近は人前で話すことは少なくなったのであるが、話すことについて心がけるべき点を学ばせていただいた。
日本語を正しく使い、しゃべることは本当に難しいことである。
それができるのが本来プロのアナウンサーであるはずなのだが。