「昭和のくらし博物館」を訪れた。
大田区南久が原の住宅街の中にそれはある。
東急多摩川線の下丸子駅から歩いたのであるが、案内図を頭に入れたつもりであったが、私の方向音痴はここでも発揮され、迷い迷いやっとたどり着いた次第である。
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住居をそのまま保存し博物館として一般に公開されている。
昭和26年に建築されたもので、その後6人家族で暮らしていたとのこと。
住宅金融公庫の融資で建てられた公庫住宅のはしりだそうだ。
建物としては決して大きな物でのなく、豪華なものでもない。
ここの家族の一人の方が昭和の庶民の暮らしの資料になればと、建物と家財をそのまま残し、1999年に博物館としてオープンした。平成14年に国の登録有形文化財となっている。
建物の外観、家の中の様子はまさに昭和の風情を感じさせるものである。
私の子供のころにはまだこうした情景があったように思う。
企画展がされており、今は「昭和のおままごと展」、ままごとのおもちゃが展示されていた。
想えば私の子供時代は、男の子はチャンバラごっこ、女の子はままごとが遊びの定番であった。今はなんなのだろうか。
中の様子は撮影が出来なかったので、パンフレットに掲載されたものを紹介させていただく。
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家の箱型のラジオから懐かしい歌謡曲が流れていた。
このラジオは当時のままのもので、真空管ラジオ。メンテナンスしながら使っているとのこと。
暖かい音色が印象的であった。
流れていたのはNHKの実際のラジオ番組で、「いつでも夢を」がかかっていた。
たまたまであったが、その歌が昭和の雰囲気をより引き立ててくれたのである。
帰り際庭でお茶と柿をごちそうになった。
昭和のくらしを懐かしんだのであるが、ふと平成のくらしとはどのようなものとして後世に伝わるのであろうかと思った。
 
さて電車に乗ろうと駅まで来たら、駅のすぐ隣に興味深い食堂が目に止まった。
メニューからして洋食屋らしいが、暖簾はボロボロ、ショーケースのメニューのサンプルも埃だらけ、しかし私にはこの店に入らせる何かを感じたのである。
たぶんこの店にはチキンライスがあるはず。
店内に入るとカウンターの中にマスターらしい男性がいた。
店は予想通りとてもきれいとは言えない。
よく言えば何十年も時間が止まったままの雰囲気。
テレビはなくラジオが流れており、AFNの外国語放送が流れていた。
メニューにチキンライスがあったので注文した。
私にとってなつかしい昭和の味である。
ここはかつてはモダンな洋食屋であったのであろう。
ショーケースの一番上にビール瓶、サントリーオールドのボトル、日本酒のお銚子?がそれを物語る。
ここはまさに昭和の町の洋食屋博物館だ。
 
こうしてこの日は昭和の風情を二度楽しめたのであった。
 
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出されたチキンライスはキチンと形が整えられ、サラダ、スープ付であった。
味はまずまず。料理はしっかりしているらしい。