今年も大晦日恒例のNHK紅白歌合戦が近づいてきた。
かつて日本の大晦日と言えば家族そろって年越しそばを食べて、レコード大賞を見て、紅白歌合戦で締めるのがよくある風景ではなかったか。今は昔になってしまった。
その時代紅白は、その年活躍した歌手が、その年ヒットした歌を歌う、それを聞いて一年を振り返りなつかしむ。家族みんなが楽しめる、そんな番組であり、時代であった。
娯楽の中での歌の占める割合が時代とともに変わり、それとともに紅白の役割も変わってきた。
紅白の歴史は歌謡曲の歴史であり、歌謡曲とともに歩んできた。昭和という時代が終焉すると軌を一にして歌謡曲の時代も終焉したという見解がある。私もそう思う。
紅白歌合戦の視聴率の変遷をたどれば、昭和30年、40年代は70%以上、昭和50年代に入ると60%台、60年代に50%台になり平成に入ると40%台になっている。数字にもそのことが表れている。
先日、出場歌手に続き曲目が発表された。知らない歌手や知らない曲が多い。何も今年だけのことではなが。知っているといえば演歌系の歌手であるし知ってる曲となるとわずかである。そもそも今年流行った曲はなんなのかを知らない。演歌系の歌手もかつてのヒット曲を歌う。そのことをとってもわざわざ視なくてもとなる・・・・
さてその歌の中でも私が薦める一曲は北島三郎の「風雪ながれ旅」である。1980年(昭和55年)に発表された曲で、紅白でも何度かうたわれている。作曲は船村徹、作詞星野哲郎の名コンビの曲である。船村徹は「王将」「別れの一本杉」「兄弟船」などスケールの大きい曲、哀愁を帯びた名曲を作っている。
この「風雪ながれ旅」は津軽三味線の名人と言われた高橋竹山をモデルにした曲と言われている。雪の吹きつける青森から北海道を津軽三味線をかついで旅する情景が浮かんでくる。前奏がまたいい。津軽三味線と尺八の音が曲を盛り上げる。北島三郎もいいが船村徹の唄う「風雪ながれ旅」もまたいい。ユーチューブで聴ける。
私もカラオケで何度か唄ったがなかなか難しい歌である。それだけ唄いがいがある。
紅白も私なりのこだわりで「楽しもう」と思う。
こんなことを申し上げる私もやっぱり古い人間でござんしょうかねえ・・・