解らないうちに騙されるって、どういうことなのかな、あっ、もしかしたら、目を見てしまったのかな。それから、国王って、どこから来たのかな、やっぱりこの国の他に、もう一つ雨が降り続いている国があるって、エナジーさんとメカニックさんが言っていたけれど、その国の人、じゃなくて悪魔ってことになるのかな。それにしても、どうやってこの国に入り込んだんだろう。

『あの、長さん、もしかしたら、その国王に初めて会ったとき、目を見た』って、僕が聞くと、長さんは

『もう、私は、この国の長なんかじゃないから、おじさんでいいよ』って、長さんは言いながら、最初に国王に会った時のことを、一生懸命に思い出しながら

『確かに、目を見て話をした。子供の頃から、話をするときには、相手の目を見て』をするように、言われて育ったから、私の母は、そういうことにうるさかったから』って、長さん

『やっぱり』って、僕が言うと、みんなも、やっぱりって言う顔でうなずいた。

『それが、いけなかったんですか』って、長さん

『そうやって話を、することは間違いじゃありません。長さんのお母様の育て方は、正しいです。ただし、相手が悪かったってことです』って、隊長さん

『相手が悪かった』って、長さん

『目から、心を奪われたってことです』って、リッちゃん

『目から、心を奪われた』って、長さんは、理解に苦しんでいるような顔をしている。

『ああ、思い出しました、私も言われていました、亡くなった猫さんから、城の悪魔と目を合わせてはいけないって』父猫さん

『それって、催眠術ってことなの。モンスターは、人間自身が心の中で育てたんだよね。悪魔は、外からってことだ』って、空君

『催眠術かどうかは分からないけれどね。それで、おじさん、国王ってどこから来たかわかる』って、僕

『北の方から、私たちの国と貿易がしたいと言って、私の国は、自給自足でそれなりに、国民は暮らしていた。この国の国民は、多くを望まず、毎日みんなが笑って暮らしていけると、それが幸せ、それが永遠に続くことを望んでいたんです。それを、私が、狂わせてしまったんです。そして、いつの間にか、この国は、悪魔に乗っ取られてしまった。私は、多くの国民の命を・・・』って、おじさん


       つづく




『元ちゃん、父猫さんを、母猫さんと赤ちゃんニャンコさんたちのところに』って、エンジェルさんが

『そうだよ、犬さんに送ってもらったら』って、リッちゃん

『そうしてもらえるんですか、猫、良かったな』って、おじさんが言うと、

『私たち家族だけ、そんなことできません。城の中では、仲間が命を削られているのに、母猫と子猫たちが元気でいるって分かっただけで、十分です』って、猫さんが言う、なんか猫さんの気持ち分かるような気がするって、思っていると、

『そうかもしれないよ。猫さんが居てくれたら、城の中に残っている猫さんや犬さんに、話しがしやすい。僕らが説明をするより、時間が掛からない』って、アッちゃん。

空君を覗いた、所謂大人の僕らには、アッちゃんが何を言いたいのかが分かる。

『空君、ここで父猫さんが、母猫さんたちのところに行くのは簡単だけど、この国が元に戻った時のことを考えてみて、仲間を見捨てたって思われるかもしれないって、父猫さんは思ったんだよ。そうしたら、生まれてきた赤ちゃんニャンコさんたちは、肩身の狭い思いをするかもしれないって、そうですよね、父猫さん』って、僕が言うと

『いや、城の中にいる仲間は、きっと自分が戻ったら、なんで戻ってきたんだって言うと思います。だから、行けないんです、みんな子供が生まれることを、すごく喜んでいてくれたので、無事に生まれたこと知らせたんです、自分の口で』って、猫さん

『私の仲間も、昔は、そうだった。いい仲間だった、みんなでこの国を、この国の国民が、どうしたら良くなるかって、話し合っていたものだ。それが、みんな、あの国王の魔力に、騙されてしまった』って、おじさん

『ところで、あなたのことを、なんて呼ぶといいです』って、隊長さんがおじさんに聞いた。

『ああ、申し訳ない。自己紹介が遅れて、私は、この国がこんなになる前まで、お恥ずかしいですが、この国を治めていた、長です』って、おじさん

『長って、国王なの』って、空君が聞くと

『国王なんかじゃないですよ。みんなに選ばれた、なのに、私は、あの国王に、この国を売ってしまった。自分の心も、家族の心も、部下の心も、国民の心も、そしてどうしても心を奪うことが出来なかった猫や犬の、命を奪おうとしたんです。いや、していたんです』って、おじさんが言った。

『なんで、そんなことに、どうして騙されてしまったんです』って、ストーンさん

『それが、よく分からないんです』って、おじさん


         つづく

今日、12月2日は、我が家のお坊ちゃま、リッチ君の18歳の誕生日。

今年の夏は、猛暑でバテバテになって、入院なんかもして、しょっちゅうゲリピーになって、全然歩かなくなって、一時は、どうなることかって思っていた。

それが、涼しくなるにつれ、年相応に元気になってきた。〔散歩も、調子のいいときは、それなりに歩いてくれる、2~30メートル。よろけながら、足を上げてトイレも〕

そんな、お坊ちゃまが無事に18歳を迎えることが出来た。ほんとうは、大好きなお肉なんかを、いっぱい食べさせてあげたいんだけれど、そうするとすぐにお腹を壊してしまうので、NG。

とにかく、食欲はすごいんだけれど、何分病院食だから、可哀相なんだよね。

私、元ちゃんのとき、一日でも長生きして欲しいって、最後の方、好きなものをセーブして、ずっと後悔していて。駄目ですね、いまだにここから、立ち直れなくて。