ストーンさんに抱えられたおじさんを、じっと見て、黙って話を聞いていた猫さんが、
『猫や犬、他の生き物は生きていないんですか、呼吸は聞こえてこないんですか』って、切なく悲しい目をして聞いてきた。
僕とアッちゃん、リッちゃんは、少しの間、目を閉じて、神経を聴覚と臭覚に集中させた。地下室からは、間違いなく猫や犬、そして人間以外の呼吸も聞こえてくるんだけれど、どうしても子猫や子犬、小さな生き物の呼吸が聞こえてこない。そして城の中からも、人間の子供以外の呼吸が聞こえてこない。
『元ちゃん、僕には聞こえない、子猫や子犬の呼吸が』って、リッちゃんがテレパシーを送ってきた。それに重なるように、アッちゃんも聞こえないって、
『僕にも、聞こえない』って、僕は、二人に答えた。
『どうする、なんて言おうか』って、僕ら三匹が、テレパシーで話していると
『どうしたの、三人とも、黙っちゃって。ねえ、隣の部屋の袋、何が入っているのかな、さっきから気になっているんだけれど。だって、すごい袋の数だよ、結構大きいし、それに保冷袋って言うの、あの袋』って、空君が隣の広い部屋に、高く積まれてある袋のことを言った。
空君が、その袋のこと言うまで、みんなその袋のことに、気が付いていなかったので、
『えっ、袋が隣の部屋に?』って、言いながら、みんなして隣の部屋に目を向けると、本当に銀色に光っている保冷袋が、無造作に積まれている。
『何が入っているんだろう』って、隊長さんが、連絡室にいる北の国の連絡係に気が付かれないように、袋の中を覗いてみる。隊長さんの顔から、さーっと血の気が引いたように、みんなの目に映った。って言うか、完全に血の気が引いていたんだ。
『隊長さん、何が入っているの。どうしたの』って、リッちゃんが、恐る恐る聞く。
隊長さんは、声を震わせて
『この保冷袋の中には、袋の中には、空君、見るちゃいけない』って、なかなか中身を隊長さんが言わないので、空君が見ようとしたら、強い声で言った。
『隊長さん』って、みんなが言うと、隊長さんは、一息ついて
『その袋の中には、冷凍になった』って、ここまで言うと、猫さんが
『もう、言わないでください』って、泣き出した。
『あああぁぁ・・・』って、みんなも言葉が出なくなった。
つづく