僕は、仕様がないって言いながら、アッちゃんと空君が無事にフューチャーちゃんの家に、保冷袋で冷凍になっている子猫や子犬たちを、テレポーテーションできたかどうかが気になってきた。

『元ちゃん、どうしたの。なんか気になることがあるの』って、リッちゃんが聞いてきた。

『うん、気になるって言うか、少し遅いかなって思ったんだ』って、僕が言うと

『ああ、アッちゃんたち』って、リッちゃん

『そうなんだけれど、アッちゃんが居るから、問題ないと思う』って、僕は、自分に言ったようなって思いかけていると、空君の声が

『ごめんなさい、遅くなって。テレポーテーションの中に入ってすぐに、目を覚ました子猫がいて、ちょっと途中で止まってしまって、今、フューチャーちゃんの家に着いた。アッちゃんが、ちょっと大変な感じなんだ』って、

『良かった、無事だったんだ、気になっていたんだ。アッちゃんが大変ってどういうこと』って、聞くと

『ワン、ワン、ワン、ワワワヮ』って、アッちゃんの声が

『アッちゃん、なんか、目を覚ました子猫たちのお母さんと間違えられているみたい』って、リッちゃん

『鳥じゃないんだから、目を明けてアッちゃんを見たからって、母猫だって、思ってしまったってことか』って、隊長さんが変な言い方をした。

『ねぇ、リッちゃん、ほんとうにアッちゃんのこと、子猫たちは、母親だって思ってしまったの』って、エンジェルさん

『どうやら、途中で目を覚ました子たちは、そう見たい』って、リッちゃん

『じゃあ、あの保冷袋の中ので、冷凍になっていた子たちは、死んでは、いなかったっていうことですか』って、父猫さんが喜びを滲ませながら、言うと

『まだ、目を覚ましたのは、5匹の子猫だけだから、全体に比べたら、だから、まだ、喜ばないで』って、アッちゃん

『でも、望みはあるってことだから。アッちゃん、もう少しそっちに居てよ』って、僕

『うん、そんな感じだね』って、アッちゃん

『愛ちゃんは、保冷袋の子たちを、温めるって頑張っているよ、心配しないで』って、空君

『フー、何はともあれ良かった』って、僕は、言いながら、子供たちの方を見て

『おじさん、ここに居る護衛の人たちに、命令って出来る』って、聞くと

『私がですか』って、ちょっと戸惑いながら、おじさんが言った。

『ああ、そういうことか。護衛の人間は、命令で動く、だから長であるおじさんに命令してもらうってことか』って、隊長さん

『しかし、なんて、命令をするんですか。それに、私でいいんでしょうか』って、おじさん

『だって、おじさんは、この国の長だもの』って、リッちゃん


        つづく




何も命令されないと動かないってことは、もしかしたら、護衛をさせられている、おじさんの元部下の人たちとは、戦わなくてもすむかもしれないって、僕らは思った。

アッちゃんと空君が、保冷袋に詰められた多くの冷凍された命を、テレポーテーションしてフューチャーちゃんの家に向かった、そのすぐに後、僕らは、子供たちの微かな呼吸を頼りに、城の中を探し回った。

『シー、はっきり聞こえてきた』って、僕とリッちゃんが、みんなに言った。

『えっ、居ないよ。ここには』って、空君

『この部屋じゃない。次に行く部屋だよ』って、リッちゃん

『呼吸が聞こえるってことは、生きているってことだよね。冷凍にされているってことはないんだよね』って、隊長さん

『絶対とは、言えない。そうだよね、元ちゃん』って、リッちゃんが、僕にふってきた。

僕も、リッちゃんの言う通りって思っていたので、

『僕も、リッちゃんと同じ考え、部屋の中に入って、確認しないと何とも言えない。だって、呼吸が小さすぎるもの』って、僕

『行きましょう。ここで、言っていても始まらないから』って、エンジェルさん

僕らは、意を決して、呼吸の聞こえてきた部屋に、テレポーテーションした。居た、子供が、大勢居た。目を明けている子の目は、虚ろで、目を閉じている子は、眠っているのかな、どの子もかなり痩せている、衰弱しているって言うのかな。

『この子たち、みんな点滴をしている。病気なのかな』って、ストーンさん

『あっ、あっちの子供たちは、輸血をしている。僕も輸血をしたことあるから、あっ、おかしい、輸血じゃない。その逆だ、血を抜いているんだ。目が虚ろな子たちは、血を抜かれたばかりなんだよ。で、何か点滴をされるんだ』って、僕

『こんな小さな子供たちから、血を抜くなんて、何て酷いことをするんだ』って、みんな絶句した。

『ここに居る子供たちは、みんなこの国の、大切な子供たちです。そして、子供たちの血を抜いているのは、私の元部下たちです。みんな、みんな、国王に・・・助けてください。子供たちも、私の部下も、元に戻してください』って、おじさんが、また、倒れそうになった。

『いったい、ここには、子供たちが何人くらいいるんだ。それに、その護衛の人間って言うか、血を抜いている人間に、点滴をしている人間、この全員を、フューチャーちゃんのところに連れて行くの』って、リッちゃん

『うん、それしか仕様がない』って、僕


          つづく


そう、みんな、隊長さんが中身について何も言わなくても、想像がついた。けど、まさか、子猫や子犬、生まれてまだ目も開いていない赤ちゃんたち、それにいろんな生き物の小さい子たちが、無造作に冷凍にされて、その保冷袋の中に入っていた。

『何て、酷いことを』って、おじさんは、言ったきり目を閉じてしまった。

『これは、・・・』猫さんは、言葉が出てこなくなった。

『許せない。元ちゃん、この子たちは、生き返らないの。助けてよ』って、空君

『何のために、こんな酷いことを、人のすることじゃない』って、隊長さん

『今までも、人間の醜いところをたくさん見てきたけれど、こんなことするなんて、いったい北の国の人間って』って、エンジェルさん

『これは、人間がしたんじゃないよ。悪魔だよ』って、リッちゃん

『とにかく、国王達が会議をしている間に、この子たちをフューチャーちゃんの家に、アッちゃん、何回も行ったり来たりで、悪いんだけれど』って、僕が言うと

『何言ってんだよ。空君を借りるよ、僕だけじゃ、大変だから』って、アッちゃん。

この時、同時にアッちゃんは、テレパシーで、愛ちゃんがこの子たちを見ると、ショックを受けてしまうから、空君を連れて行くねって、それに、もっと酷いことがあったら、空君にも見せたくないしさって。

『うん、そうして。で、空君、愛ちゃんの側についていてあげて』って、僕が言うと

『えっ、僕が』って、空君は、そのあと、何か言いたそうだったけれど、言いたいこととは、違うことを

『うん、分かった、愛ちゃん、そうだよね、泣いちゃうね』って言うと、アッちゃんと一緒に、保冷袋が積まれているところに行って、袋から落ちている子がいないかを確認して、

『アッちゃん、こっちは大丈夫だよ』って、声を詰らせながら

『うん、こっちも大丈夫だ。よし、行こう』って、空君に声をかけると、二人して

『行ってくる』って、言うとアッちゃんと空君は、保冷袋を一緒に消えた。

連絡係の居る部屋とこの部屋は、ドア一つで繋がっていて、ドアが開いていて、袋が消えてしまうところを、元長のおじさんの部下の人たちが見ているんだけれど、誰も何も言わない。

『どうして、あの人たちは騒がないの』って、僕が聞くと

『何も命令されていなから、騒がないんだ。猫が追われて、私が撃たれたのは、そうするように命令されていたからなんだ』って、おじさん

『命令されないと、何もしないの』って、リッちゃん

『そうだよ。そして、私は、何を命令されていたのか、よく、思い出せないんだ』って、おじさんが少し不安そうな顔をした。


       つづく