捨てればゴミ 使えば資源 -27ページ目

ジョンタ サムライと出会う

実家にひらわれてきた変なガイジン ジョンタ。
前に居た大学で、相当な教育を受けたらしく、訳の分からない知識を持っている。

東京タワー は実はロケットで、近いうちに打ち上げられる。
しかし、打ち上げてしまうと電波を発信することが出来なくなるので
その代わりに 東京スカイツリーを建設している。

奈良の大仏は少しづつ回転していて、お正月になると正面を向く。

新幹線は合体して ガンダム になる。

マツコデラックス は ロボット。

イチロー は ニンジャ。

トトロは実在する。上野動物園で近いうち公開される予定。

などなど。
どうしてそう思うのか?と聞くと
「日本の科学力を持ってすれば、そのくらい簡単に出来る。」
と、信じて疑わない。まぁ、イチローがニンジャ という説は、私もそうかもしれないとは思うし、
トトロがいたらいいな とも思う。ただ、上野公園で檻に入ったトトロは見たくはない。
多分、そのような知識を教え込んだ人たちも思ったことだと思うが、このジョンタには
そのような知識を教えてしまおう という、ある種のオーラがある。
子供っぽいというか、ピュアだというか。

そんなときに、うちの弟が起き出してきた。
前にも書いたが、弟は 禁煙 をしている。
一度は挫折しかかったのだが、医者に相当怒られたようで、今は順調に禁煙している。
しかし、その 禁煙 がストレスとなり、あろうことか 円形脱毛症 になってしまった。
頭の丁度真上に500円玉ぐらいの ハゲがあるのだ。
普段は髪の毛で隠しているのだが、寝起きで乱れた髪のせいで、そのハゲが丸見えの状態で出て来たのである。
それに気がついたジョンタ。視線はそのハゲから離れない。
弟はジョンタのその視線に気がつかなかったようで、冷蔵庫から飲み物を取り出し部屋へと戻っていった。

弟が部屋へと消えると、ジョンタは私に質問した。

「アレハダレ?ナンデアノ ヘアースタイルナノ?」

あれは私の弟だ。 と答えはしたのだが、円形脱毛症はどう答えていいのか分からない。
一から説明するのはめんどくさいし、彼が理解できるかも疑問だったので、こう答えておいた。

「いいか。これから話すことはトップシークレットだ。誰にも話してはいけない。
もし誰かに話したら ニンジャがお前を消しにくる。」

「オーケー。ダレニモイワナイヨ。」

「実は俺の弟は サムライ なんだ。サムライヘアー は知ってるだろ? そう チョンマゲだ。
チョンマゲ というのは選ばれた人間しか出来ないヘアースタイルで、選ばれた人間はある日突然髪の毛が抜ける。」

「オーウ!リアリー?」

「そうだ。そしてそれがだんだん大きくなっていき、最後にはチョンマゲになるんだ。
今、弟のはちっさいが、あと3ヶ月もすれば綺麗なチョンマゲになるんだ。」

「オーウ マーイ ガッ!」

「いいか。絶対にだれにも言うんじゃないぞ。ニンジャに消されちまうから。
日本人以外でこのことを知っているのは多分ジョンタだけだ。」

「イェス・・・。」

ついでに、日本人でハゲている人のほとんどはサムライだ ということも付け加えておいた。
ジョンタはまたひとつ賢くなった。


今考えると、ジョンタの日本語力はかなりな物なので、円形脱毛症についても理解できたと思う。
だけど、後悔はしていない。