一見、アジの開きのように見えますが、
くさやです。
裏返すと色が違います。
(近くにいれば匂いでわかります。)
かの勇名な【くさや】ですが、
くさい食べ物の代名詞のように扱われてしまうことがあるのです。
とても心外です。
人間の五感はなかなかいい加減なものです。
食べず嫌いとは良く言ったもので、食べてみたら美味しかった。なんて良く聞く話です。
たしかにくさやは匂いが強い食べ物ですが、僕には食欲をそそる匂いです。
(食欲より、酒欲。
)
同意見の方!多いですよね!
毎日のように納豆を食べながら、くさやはくさくて食べられないなんて、外国の方にはいったいどう説明するのでしょう?
僕の初体験は、新宿の居酒屋。
(後から知ったことですが、昔から続く正統派の居酒屋にはくさやがおいてあることが多いのです。)
たしかに初めはその匂いに閉口しましたが、
食を生業としている限り、新しい食材を目の前にして食べない訳にはいきません。
周りがクサイクサイと大騒ぎする中、
雑念を棄て、
嗅覚よりも、舌に全神経を研ぎ澄まし、
食べてみると…
やはり、クサイ。しかし!!
ん?味がある。…旨味が強いな。
噛むほどに味が出る。
ん?旨いなこれ。
そう感じることができた瞬間、
匂いが気にならなくなったのです。
人間の五感とはそんなものだとおもっています。
特に味覚と嗅覚は不安定で、先入観にも左右されてしまいがちです。
くさやの話です。
匂いで、食べられない方もいるでしょう。
でも、ちょっと頑張れば新しい世界が待っているかも!?
そして、もし、美味しいと感じたら、
次は、
何故こんな匂いなのか?
何故こんな色なのか?
これはどこで誰が作っているのか?
この魚は何なのか?
季節によって味が違うのは何故なのか?
こんな疑問が沸いてくるはず。
そして、あーだこーだと、くさや談義で盛り上がる。
素晴らしいですね。
まさにノミニケーション。
くさやはおつまみ。ツールです。
日本が誇る珍味、くさや。
世界遺産くらいの価値がつけば、匂いを越えて味まで到達する人が増えるでしょう。
……………………………………………
昨夜。
閉店後、くさやを数十枚焼きました。
生干しの、最高の状態のくさやです。
それを、酢醤油に漬け込みました。
匂いが柔らかくなり、生干しの新鮮さを損なわないで、くさやが苦手な方にも食べられるように。
細切りにして、
【焼きくさやの酢醤油漬け】
で、メニューに載せます。
是非

ちなみに、我が家では娘に三才から食べさせています。今でも大好物。

しかし…
さすがに一気にこれだけ焼くと
…匂いがスゴい…

げん
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