こんにちは!
最近ようやく花粉が落ち着いた良玄です(^O^)/
長い長い戦いは
やっと終わりを告げそうです
終盤には花粉対策の薬を服用もしました
薬の力は凄いですね
一気に鼻呼吸ができるまでに至りました
花粉に悩まされているのは毎年のことですが
その時期の読経は本当に苦労します
鼻呼吸が一切できず
また鼻水が垂れないようにと
顔面の神経が大忙しの大渋滞状態となります
お檀家さんもお経を終えた後
心配をしてくださり大変ありがたい限りでした
とにもかくにも花粉との戦いは
来年度またこうご期待です
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さてそんな今回のテーマは久しぶりの禅アイテムシリーズ
小さな袈裟(けさ)
絡子(らくす)
です
お坊さんの着る物と言えば袈裟(けさ)
でありますが
よく勘違いされるのが
お坊さんの着ている黒い衣(ころも)のことを
袈裟と呼ばれる場合があります
実はこれは違いまして厳密に言うと
袈裟というのはこの黒い衣=黒衣(こくえ)の上にまとう
長い布のことを袈裟と呼びます
これは宗派によって形が違うので様々ですが
要するに黒い着物の上に付けている
色のついたものが袈裟であります
そしてそんな袈裟を簡便にしたともいえるものが
今回紹介をする絡子(らくす)というものになります
禅宗の場合は袈裟は非常に長く
全身を覆うためどうしても動きづらくなってしまいます
例えば車の運転をするときなどは
袈裟を付けたままでは非常に危険になってしまいます
また法要などの行事の際も
お供え物を扱うなどの動きがある役の場合は
袈裟をつけているとその動作に支障が出てしまったり
ひっくり返してしまう危険もあります
そのためこのような袈裟の簡略版として
絡子が多くの場面で使用されています
実際にお坊さんを見かける時は
このような絡子を付けている状態の方が
多いのではないでしょうか
そしてこの絡子にも
様々な色やデザインがあるのですが
よく見てみると共通して
パッチワークのようにデザインされています
これは何故かと言うと
やはりこれはそもそもは袈裟であるからです
袈裟というのも元々は
生産性を持たない出家者が着るものに困るため
信者の方が布を施し
その布をつなぎ合わせて
衣服にしたことにはじまります
そしてこれが布を施すと書く
布施の原点でもあります
今現在では布施は
金銭によって施される場合が多いですが
元々は布を贈っていたわけです
またこれ意外にも無財の七施という
金銭ではない7つの布施行というものもあります
他へ施すことによって利他の精神を養うわけですが
そんなお布施の形にもいろいろあるわけです
そしてそんなお布施の伝統と歴史を
今現在でも目に見えるものとして再現しているのが
お袈裟であり絡子でもあるわけです
禅宗系のお坊さんでしたら
この絡子は必ず持っています
付けている場面を見たことある方も
多いのではないでしょうか
お坊さんというのはみんな黒い着物を着ているので
区別がつきづらいかと思いますので
そんなときはこの絡子の色やデザインで判別すると
分かりやすいかと思います
さらにこの絡子には隠れた秘密があります
実は誰の目にもとまらない裏側に
絵や文字などが書かれていたりします
裏地のついているものもあり
そこには墨で描いたお坊さんの絵や
禅のことばなどが書かれています
大抵は自分がお世話になった師匠や
老大師(ろうだいし)と呼ばれる
修行道場において修行僧を指導する立場にいる
とても偉い方などに書いてもらうことが多いです
私も普段ここぞという時に付けている絡子は
修行道場でお世話になった師匠から頂いたもので
そこには七福神としても馴染み深い布袋和尚の絵と
禅語が書かれています
その絡子を首から掛けると
自ずと修行時代を思い出し
師匠から叱咤激励されている気持ちになります
禅僧としてあるまじき行為をしないように
自分を制御してくれる一枚でもあります
そもそも自分ではなく物に頼っているようでは
一喝されて怒られてしまいそうですが・・・
とにもかくにもお坊さんのアイテムには
多種多様さまざまな普段見慣れない物があり
その物にも色々な意味や秘密が隠れています
そんな普段馴染みのない
お坊さんのアイテムを知ってもらうことで
また仏教に親しみを感じていただけると嬉しく思います
ぜひとも次にお坊さんを見かけた際は
首から掛けている絡子にもご注目ください
良玄合掌
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