久しぶりの自作系記事です(^^)。今回は100均グッズを素材に使った超カンタンなLED工作です(^^)。
 
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 タチウオ釣りの集魚灯や竿先ライトなどの光りモノはケミホタル(化学発光ライト)がメインでしたが、最近はLEDが増えてきていますね。私も記事中では集魚灯の意味で「ケミ」と書いていますが、実際はタチウオの集魚灯にはこのような点滅式LED水中ライトを使っています。
 
 竿先ライトやワインドなんかにも使いやすいコンパクトな製品としては、ルミカから「デンケミ」、ヒロミ産業から「ミライト」というのが売り出されていますが、500円前後で使用時間30時間程度の使い捨てなので少しもったいないです。50㎜ケミ並のサイズの電ケミであれば簡単かつ原価20~30円ぐらい(電池除く)で作ることができますのでご紹介します。
 
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 しかも、材料調達はハロウィンとクリスマスの間である今がチャンスです。何故なら使うのはコレ、DAISOで売ってるクリスマス用の「LEDデコレーションライト」だから。点滅式と常時点灯式がありますが、LEDを部品取りするだけなのでLED数が多い常時点灯式のほうがお得です。
 
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 この「常時点灯型・カラフルミックス」なら赤が4本、緑、青、黄各2本、計10個のLEDが108円で入手できます。記憶が正しければこのミックスは今年からの新商品だと思います。この商品、単3×2本=3V駆動ってところがミソ。普通の緑・青色LEDは大抵3.2~3.4V程度の電圧が必要なため、電気ウキによく使われるBR435やBR425等の3Vピン型リチウム電池では「辛うじて光る」程度になってしまうのですが、このLEDは定格3V前後の低電圧駆動なのでピン型リチウム電池でちゃんと長時間明るく光るのです。
 
 さらに、このLEDはイルミネーション用なのでどっちから見ても明るく光って見える「広配光タイプ」です。天辺がすり鉢状に凹んでおり、上の写真のようにプリズム全反射の原理で全周方向に光を飛ばすようになっていますので、釣り用の光りモノ製作にはうってつけなのです。ラインナップには白やシャンパンゴールドもあるので白系ライトも作れますが「照らす」ほどの出力はありません、ケミホタルのように暗い場所でモノの位置を示す「マーカーライト」として使える程度です。
 
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 もうひとつ必要な素材が、これまたDAISOでも売ってる「ギボシ端子」です。主にバイクや車の電装に使う端子なので、カー用品店やホームセンターでも買えます。このカバー部分、ピン型リチウム電池とサイズがドンピシャなので電池ケースとして使えるのです。

【作り方】

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1.まず配線を2㎝ぐらい残してLEDを切り取り、LEDの根元の熱収縮チューブを切り裂いて取り除くとこのようにLEDとスペーサが出てきます。
 
2.リード線がハンダ付けされているので、ハンダゴテで取り除きます。この製品、何故かLEDのピンがえらく汚いことが多いので、ついでにサンドペーパーでピン表面を綺麗に磨いておくと接触不良を起こしにくくて良いです。
 
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3.LEDのマイナス側ピンを5㎜ほど、プラス側ピンを10㎜程残して切り、マイナス側ピンに5㎜長に切ったウキゴムを被せます。
 
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 LEDには極性がありますが、こういう砲弾型LEDの場合は樹脂の中に見えている2つの金具のうち大きい方がマイナスです。また、写真のようにピン型リチウム電池の先端と側面にLEDのピンをそれぞれ当ててみて光ったら、先端のピンに触れてる方がマイナスです。
 
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4.ギボシ端子カバー(メス側の長い方)の細くなった部分にLEDのピンを入れたウキゴムを押し込みます。長い方のピンもカバーの中に入れます。
 
5.ピン型リチウム電池BR435を先端のピンがウキゴムの穴に入り、かつLEDの長い方のピンが電池側面に触れるよう押し込めば点灯します。長い方のピンが引っ掛かって入れにくい場合は、先端を斜めに研いだり、電池を入れてから指先でカバーの内壁に沿うようしっかり曲げてやると次からはスッと入ります。

 
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 赤、緑でも作ってみました。発光色がわかるよう、カバー部分にマジックで色を塗っておくと分かりやすいです。
 
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 ただし、この状態では防水ではないので、このまま水中ライトとしては使えません。タチウオなどの集魚灯に使う場合は、このようにケミホタル用の耐圧ケースに入れて使います。なお、ギボシ端子には「防水ギボシ端子」ってのもあるんですが、アレは配線挿入口(上記でウキゴムを押し込んだ穴)がOリング状になっていて電線に密着し、雨が掛かっても大丈夫程度の防水になるってモノで水中用ではないし、このように流用加工しちゃう場合は意味ないです。
 
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 なお竿先ライトとして使う場合など水没させないなら、このようにLEDとギボシ端子の接合部を防水処理し、オス側のギボシ端子カバーの穴を塞いだものを電池の後端に被せれば「防滴」程度の性能は出ます。防水処理はホットボンドや接着剤でOKです。この写真のモノの場合、グルーガンを使って赤丸で示すLEDとギボシ端子カバーの継ぎ目をぐるっと1周コーティングし、右側のオス側端子カバーの方は穴にグルーガンのノズルを突っ込んでホットボンドを充填してあります。
 
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 このようにジャブジャブ水をかけてみても大丈夫です。ちょっと水に浸かったぐらいなら大丈夫ですが、深い場所に長時間水没させると水圧で浸水してしまう場合があります。
 
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 竿先ライトに使う場合は、このようにビニテや水道用の自己融着テープ、シーリングテープ等で竿先に括り付けるのがお手軽です。
 
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 自作電ケミを最近流行のタチウオのミャク釣りに使えないか、検討&実験してみましたので報告します。こちらの記事に「かっ飛びボールでミャク釣り」という話がチラッと出てきますが、かっ飛びボールとはこのようなモノ。5秒で1mぐらいのゆっくりしたスピードで沈む電光式のフロート(飛ばしウキ)で本来はメバリングに使うモノなのですが、この後ろにタチウオの餌釣り仕掛けを付けて超スローな引き釣りのようにして釣るのが最近流行のミャク釣り(他にもフロート釣法とかフロートリグとか、色んな呼び方あり)です。キャストして一旦沈め、巻いて水面近くまで引き上げてはテンションフォールでまた沈めるのでタナを上下方向に広く探れるのと、誘いが頻繁にかかるのでタチウオのアタリが多いのが特長です。
 
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 ただこのかっ飛びボール、ひとつ問題が…使う電池がBR311という長さ1㎝ほどの極小ピン型リチウム電池なのですが、小さいので容量が少ないのです。価格は電気ウキによく使われるBR435と同等の2本300円程度なのですが、2本使いでひと晩持ちません(^^;。あと、うっかり取り落としたら小さいからどこ行ったか探すのが大変です。
 
 中通し電気ウキを使っても同じ釣り方はできるのですが、現状タチウオのミャク釣りに最適な青LED搭載の中通し電気ウキってのがないのです…(^^;。青い光は水に吸収されにくいので、水中では周囲の微粒子(要するに濁り)で散乱し大きな光芒になってよく見えます。半面、水に吸収されやすい赤い光だと空気中では青より明るく見えるのに、水中では暗く見えてしまうのです。
 
 釣り場で実験してみたところ、先ほどのケミホタル用の耐圧ケースに自作電ケミと割りビシの大を1個入れるとかっ飛びボール同等の5秒/mぐらいの沈下速度になることが分かりました。明るさは若干かっ飛びボールには負けますが、実用にはなりそうです。ただ…最近このケースを釣具屋で見かけなくなってしまいました。写真のモノは数年前に買ったのですが、この記事を書くにあたって値段などを調べようと釣具屋行っても置いておらず、ネット通販でも引っ掛かりません。廃番になっているようです。50㎜のケミホタルが入って先端部が透明な、筒状の防水ケースがあれば加工して使えるのですが…何か良い代用品をご存知の方いらっしゃれば教えてください(^^;。

【LEDの豆知識】

 元日亜化学の中村修二氏らが発明した青色LEDは世紀の発明と言われ2014年にノーベル物理学賞を受けていますが、その理由が「どんな色にでも変身させることができるから」だという事をご存知ですか?このミックス色LEDも、各種ライトに使われている白色LEDも、実は全部「ベースは青色LED」なのです。また、最近のイルミネーションなんかは桜色やライムグリーン等のパステルカラーや金色(シャンパンゴールド)など、原色(赤、黄、青、緑など)以外のLEDもよく使われていますね、これも青色LEDあってこそ実現したものなのです。
 
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 従来、赤や緑などの原色LEDはLEDダイ(光を出す半導体チップ)自体が単波長光を出す構造だったのですが、最近は青色LEDに発光させたい色の「蛍光材」を被せて、青い光を他の色に変換するのが主流になりつつあります。今回使ったLEDの中を覗きこむと、このように中央にあるLEDダイに赤や緑などの色が付いているのですが、これが蛍光材です。青い光は、蛍光現象を利用してそれより低い波長の(=赤に近い)色なら何でも生成できるのです。
 
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 ちなみに白色LEDにはこのように黄色い樹脂が被せてありますが、黄色は光の三原色のうち赤+緑等分の合成で生成されますから、それに元の青色を加えて白色光を作るために「半透明の黄色い蛍光材」が使われるのです。同じ白系でも赤を強くすれば電球色、青の透過性を落とせばシャンパンゴールド、またオレンジの透明な蛍光材を使えばベースの青と混じってピンクになるのです。このように、蛍光材の配合を変えることで任意の色で発光するLEDが出来るわけです。
 
 最近は需要の多い白色LEDの高輝度化=ベースとなる青色LEDの高出力化技術が進歩したため、他の単色LEDでも白色LEDのベース用に作られた青色LEDを流用して蛍光材で任意の色を出す方が安くて明るいLEDが作れるようになった、という事情もあります。ただし車のテールランプやウインカ、信号、看板など向けに消費電力を抑えて明るさを稼ぎたい超高輝度LEDでは今でも高効率な単波長ダイが主流です。
 
 また、赤や黄色のLEDダイは駆動電圧が2V前後なので緑や青LED並の電圧をかけると過負荷で寿命が短くなってしまいます。そのため、従来は複数色のLEDを混在させて光らせるには色毎に違う保護回路が必要でした。これも全部同じ青LEDをベースに色んな色で発光させれば、電気的特性を気にせず同じ回路に繋ぐだけで発光させることができるので、こうやって10灯もカラーLEDが付いた器具がわずか100円で売れるようになったのです。この世界、身近なモノも沢山の知恵と工夫で日進月歩しているのですね(^^)。ちょっとマニアックな話ですいませんでした(^^;。