ご無沙汰しています。
先週末まで情報処理技術者試験の勉強をしていたため、ブログ更新が遅れました。
(文系出身の50代親父にとっては、結構難しい試験です。受かっているといいのですが)
今週になって「受験勉強」から解放されたため、こんな本を読んでみました。
家に置いてありました。
娘が学校から勧められて買った本のようです。
中学2年生の少年が、投資会社で働く若い女性とともに、ひょんなことから「ボス」と呼ばれる初老の大富豪から「お金」に関するレクチャーを受けることになった、という話です。
ボスは、彼らに次のようなことを説いて聞かせます。
- お金自体には価値がない
- お金は個人にとっては価値があるが、全体では価値がない。単にモノを循環させる手段にすぎない。
- お金で解決できる問題はない
- 問題を解決しているのはお金自体でなく、お金を受け取る人々
- みんなでお金を貯めても意味がない
- インフレが起こるのは、お金が足りないからではなく、生産力は足りないから。食料が足りない時に、食料を増産せずに食料を買うお金だけを確保しようとしても、飢え死にする人が増えるだけ (ハイパーインフレの悪循環)
彼らは、ボスの言うことに最初は反発しつつも、途中から半ば納得したりしなかったり。
おそらくは大抵の読者も同じ気持ちになると思います。
お金のハウツー的なこと(やや突拍子もない内容)が書いてありますが、決してハウツー本ではなく、3人の人生にも焦点を当てた物語として、読み易く描かれている点が特徴です。
ちなみに、この本の著者のプロフィールは下記の通り
- 1978年生まれ。
- 東京大学工学部卒業。同大学大学院情報理工学系研究科修士課程修了。
- 2003年ゴールドマン・サックス証券株式会社入社。以後16年間、日本国債、円金利デリバティブ、長期為替などのトレーディングに従事。日本銀行による金利指標改革にも携わる。
- 2019年に退職し、執筆活動を開始
私よりも年下ではありますが、一応同じ1970年代なので、めちゃくちゃ歳が離れているというほどではありません。
とはいえ、私が就職活動をしたのは2001年~2002年にかけての金融再編(三井住友、UFJ、みずほ)前、彼は金融再編後。
山一、拓銀、長銀、日債銀が潰れた時に私は既に社会人になっていましたが、彼はまだ学生。
この差は大きいですね。

私と同世代で新卒から外資系金融機関に就職するのは、かなり珍しいパターンでした。
私よりも少し下の世代から、そういう人が増えてきたと思います。
とはいえ、彼の学歴からすると、金融畑よりもIT畑の方が一般的。20年前であればなおさらです。
色々と思うところがあったのでしょうね。
私は、地道に努力してコツコツと貯金することが美徳、と信じてしまった最後の世代の人間かもしれません。
私の場合、親が投資で失敗したのを目の当たりにし、お金に対する考え方が特に保守的になってしまった側面もありますが。
さすがに今は、貯金をするだけでは死に金になってしまう、程度のことは分かりますが、さりとて金融については全くの素人のため、結局我が子に対しては「無駄遣いをするな」程度のつまらないことしか言えない状況です。
さすがにこれからの世の中はそれでは生きていけませんよね。
この本が次世代の金銭教育につながるかどうかは分かりませんが、お金について非常に面白い視点で描かれた本だと思いました。
