本当の初恋の人 | オリビアのブログ

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 初恋といえば、大抵の人は同級生だろう。

 私の場合は、年上の人だった。

 子供の頃、うちの近くにアパートがあり、先輩や同級がが何人か住んでいた。

 私が小3の時、その人は小6だった。

 

 小学校では、通学班というのがあった。

 年に数回、班別集会があり、所定の教室に集まった。

 3年生の時に班長を務めていたのが、前出の人だった。

 面倒見のいいお兄さんという感じだった。

 

 小学生で3歳差は大きい。

 モテそうな人だから、どうせ彼女いるだろう。

 それに、当時の私は、人と話すのが大の苦手だった。

 その人に話し掛けるどころか、集会で自分の意見を言うのでさえ一苦労。

 

 その人がいつ頃からうちの近くのアパートに住んでいたのかは、よく知らない。

 アパートの前には、オート3輪車がよく止まっていて、お父さんがそういう仕事をしているようだった。

 お母さんは気さくな人で、町内会の用で、よくうちに来られた。

 共働きではなく、今でいうママ友さんがやっている華道教室に通っておられたという。

 

 私が中2の時、その人のお母さんが亡くなった。37歳だった。

 広島出身で、子供の頃に被爆して、原爆後遺症で亡くなったという。

 当時は家でお葬式を行うのが主流で、我が家からは祖母が行ったっと思う。

 

 それからほどなく、その家の人は誰も見掛けなくなった。

 どこかに引っ越して行ったらしい。

 

 たぶん今月が誕生日で、62歳になる。

 どこかで元気で暮らしているだろうか。

 原爆2世のなので、必ずしも明るい人生ではなかったかもしれない。

 

 意見交換している人が、先頃広島に行って来られた事、又別の方が、これより少し前にKARASTAで、小川知子の「初恋のひと」を歌っておられた事などで、遠い昔の事を思い出した。