ジョブズの愛読書 | 札幌スタイルの会社づくり

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今年発表された統計では、日本企業の3割が研究開発投資を回収できていなかった中で、世界で最も研究開発効率が良かったのがAppleで37.8倍超の投資効率(※)でした。

日本企業のトップは5倍(これも凄い数字ですが)に対して、37.8倍は756%です。

※2018年2月26日の日経新聞記事参照。ここでの『投資効率』は直近5年間の営業利益の合計額を6〜10期前の研究開発投資の合計で割って集計した値です。

▼参照

また、企業のブランド力ランキングで、ここ何年も1位を獲得しているのもAppleです。

▼参照

この10年余の人類の生活、仕事の仕方を大きく変え、世界を変革したこのAppleの躍進のリーダーシップを担っていたのは、私が最も敬愛する起業家の1人である故スティーブ・ジョブズでした。

そのジョブズが唯一、自分のiPadにダウンロードして数十年間にわたり毎年1回は読み続けていたという愛読書の存在を、私が知ったのは今から5年以上前のことでした。

その本は、ジョブズの追悼式に訪れた重要人物に800冊配布された、とも言われています。

また、不良音楽と言われたロック・ミュージックを世界的に普及させて賞賛を得たザ・ビートルズのメンバーが愛読し、この本に救われたとのコメントを残しているのも事実です。


私もかつて購入していたのですが、つい最近まで本棚で埃をかぶっていました。

何度も読もうと思ってパラパラめくってはみたものの、あまりに難解で諦め、挫折し、ということを繰り返していたのです。

ただ、昨年、あるきっかけで再び手に取ると、ページをめくるたびに新たな発見の連続で、のめり込むように読破しました。

そして、何故、ジョブズが何十年も毎年読み返していたのか?何となく分かるような気になりました。

ある意味、人類史上最高の評価となる企業を創出してクリエイティブなリーダーシップを発揮するには、この本に書かれているようなことを知らなければならなかったのだろう、と感じました。

合わせて、この本の著者パラマハンサ・ヨガナンダジのドキュメンタリー映画(一昨年に日本でも公開された)も観ました。


ここでは、何故、Appleをはじめとした世界を牽引する極めて創造的なグローバル企業が、心と体と意識とのバランスを整えるヨガや、五感を離れて精神性や霊性を高める瞑想、雑念を払拭して今に集中するマインドフルネス(※)を取り入れて革新的な技術やサービス、プロダクトを生み続けているのか?ということも、何となくわかりました。

※日本ではヨガや瞑想、マインドフルネスを美容や健康のためのエクササイズやリラクゼーション、集中力を高めるための手段として理解されていることが多いようですが、それはこれらの本来の意義、目的とは異なっています。

今、世界では、旧来の物質主義的な西欧思想と精神性や霊性を重んじる東洋思想との融合が進んでいます。

ただ、日本では、もともとの東洋思想から極めて物質主義的な西洋思想を偏重するようになり、世界的な意識改革の大きな流れの中で、ぽつんと孤立して完全に取り残されつつあるように感じます。

私も、その中にどっぷり浸かっていたので、かつては『あるヨギの自叙伝』がなかなか読めませんでした。

それが、この一年、海外の文化に触れたり、日本のかつての歴史や哲学、思想を学ぶ機会があり、読めるようになったのです。それは、どっぷり浸かっていた状態から少し離れ、ちょっと距離をおいて俯瞰する状態を経験することができたからだ、と感じています。

常々感じていることですが、日本に住んでいると感じるもどかしさの1つは、様々な課題に対して本当の解決策を見出すことが苦手な人や組織が多いことです。国としてこのような文化(空気?)を持っているのかもしれません。

そして、典型的な日本人はとても保守的で変化を嫌う国民性があり、真面目で勤勉な人が多いので、型破りが苦手です。本質的に課題を解決することで生じる変化よりもむしろ穏やかな衰退を好んでいるのではないか?と思うようなことがたくさん起こっています。

今年は、ここで感じていることを、更に掘り下げて学び、これに対抗する力をつけたいと思っています。

そして、なんとなく日本にいると感じてしまう閉塞感のようなものを、少なくとも私の周りからは払拭することに貢献したい、と考えています。

先日発表された日本の幸福度ランキングは、先進国で最下位(155ヶ国中54位)でした。

▼参照

これだけ経済的に発展し、世界で最も安全な国の1つと言われ、2000年以上の歴史を持つ世界唯一の国であって、世界一と言って良いほどの長寿国であり、100年を超える企業が世界一(世界的な半数以上が日本に存在)と言われているのにもかかわらず、そこに住んでいる人の幸福度は目茶目茶低いというこの異常な事態は何なのでしょうか?どのように払拭できるのでしょうか?

そんなことも、ここで紹介した本を読むとよくわかる気がしました。

難解な本ではありますが、ぜひ読んでみて欲しいと思います。