借金の功罪 | 札幌スタイルの会社づくり

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本日は、ランチをしていると、突然携帯が鳴りました。

四国の某社経営者であるKさんから、電話がかかってきました。

私の父親に近い年齢のKさんの口癖は、金はある、時間もある、今はもう全く働いてない、遊んでるだけや、お金は入ってくるから何も困ってない、経験も知識もある、もう○○歳やしそんなに新しく学ぶこともない、あんたらの問題はだいたい解決できる、これからあんまり先は長くないけど何をしたら良いか探している、です。(笑)

ただのホラ吹きでないことは実績が証明しています。26年間会社を経営し、今は10社以上に関わり、セミナー講師の人柄が良かったというだけで内容を確認せずに数百万円の受講料を支払って、月に何度も四国から東京に通っている(にもかかわらず、ノート1つ取らず勉強している風には見えない)わけですから、まさしく言葉通りといえます。

なんの電話だろう?と思うと、今、あんたのことが頭に浮かんだから電話した、と…

そして、松下幸之助さんの教えを引用して、事業におけるお金の使い方と人の活かし方、お金の残し方について、教えてくれました。要点は、本来、商売するのにお金はかからないよ、ということでした。

その内容は、以下の通り。

⑴ 本来、商売にはお金は必要ない。お金をかけずに利益を生み出すことができる。買い手、売り手、世間、それぞれに良い事をする三方よしに加えて、経営者にとっても良いことをするだけで良い。そのやり方を身につければ良い経営者。

⑵ どんな従業員にも、給料分よりもちょっとだけ余計に働いてもらえば良い。例えば、時給1000円出すから1200円分働いてくれ、と頼む。そうすれば利益がでる。そして、従業員が頑張ればお客様も経営者にも良い結果となる。

⑶ 成長の時の投資ならやむを得ないが、借金して新しい事を始めてはならない。始めるために借り入れた資金は、なかなか返すことができない。何年も経って残っている借金があるなら、やり方が間違っている。正しくやれば実質的には無借金になる。

⑷ 借金は癖になる。それよりも、お金を残す方法を学んでおくこと。自分の知り合いには夫婦で経営している床屋で毎月100万円ずつ貯金しているところもあれば、4店舗経営している飲食店の経営者で貯金がなくて借金だけというところもある。要するに考え方。

実は、Kさんとは東京で同じ勉強会で何度かご一緒させていただいていますが、お会いするたびに1つずつアドバイスをいただきます。

前回いただいたアドバイスは、あんたのところがこれから本当に大きく成長するためには、○○○の仕組みを作ることやね。もし、それをしないで規模を拡大すると、間違いなく失敗するよ、でした。

まさしくその通りで、私が何となくその課題を感じていたので、その言葉に背中を押された感じでした。

今回のアドバイスからも、しっかり学ばせていただこうと思います。

事業をしていると、借金とは切っても切れない運命にあります。私もかつては億単位の借金がありました。今でもその1/10程は、いずれ返すべきお金を預かっています。

お金の使い方は経営において極めて重要な事であり、そこには生き方や哲学、価値観が現れます。起業家は、世の中のお金の循環をより良いものへと作り変えているに過ぎませんが、お金の循環とは信頼の循環です。

より信頼性の低いものから高いものへ、より価値の低いものから高いものへ、より汎用性の低いものから高いものへ、と活動を生み出し、それを継続していくために、お金の循環が必要になります。

お金は、信頼の代替ツールですので、それ自体は良いも悪いも何もありません。使い方、使われ方のみが意味を持ちます。その意味では、本来、お金を所有することは出来ないものです。

お金を貸す事、借りる事、投資すること、投資されること、貯める事、遺す事、とは実際には単なる認識に過ぎないのだろうと思います。

Kさんからの電話で、改めてそんな事を再認識しました。

ありがとうございました!