この緑のクリップから物々交換をして、1年後に家をもらえたとしたら、結構嬉しくないですか?
もしもこのクリップが緑ではなく赤だったならば、今から10年ほど前にそれに成功した人が実際にいます。カナダ人のカイル・マクドナルドさんは、2005年7月12日に、インターネットの物々交換サイトに赤いクリップを2006年7月12日までに家に交換したいというメッセージとともに掲載し、本当にそれを実現してしまったのです。当時、働き始めたばかりの私は、話題になっていたこの驚きの挑戦を、リアルタイムでフォローし、本当に大きな衝撃を受けました。
この事件は『赤いクリップで家を手に入れた男』という本にもなっています。
赤いクリップで家を手に入れた男----ネット版わらしべ長者ものがたり/河出書房新社
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これに近い話で誰でも知っているのは『わらしべ長者』ではないでしょうか?
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これに近い話で誰でも知っているのは『わらしべ長者』ではないでしょうか?
貧困な若者が夢の中で出会った観音様に裕福になりたいと願うと『(夢から覚めて最初に)手にしたものを大切にしなさい』と告げられます。
そして、手にしたのが何の価値もないように見える藁。更に、目の前を飛び回るアブも大事に捕まえて遠くに行かないように藁で結びつけて飛ばして歩きます。すると…
自分では大した価値もないと思っているものが、他の人の役に立ち、それを役立つ人に提供するたびに価値の高いものに変わっていきます。そして、最後には大きな屋敷を手に入れるのです。
若者はただ『手にしたものを大切にする』教えを守ったことと、人に役立とうとする精神があったにすぎませんが、結果的に藁が屋敷に変わり、裕福な暮らしを手に入れました。願いが叶ったわけです。
自分では無価値と思っているものが、ある人の役に立つことはよくあることです。それが既に所有していたり、自分ではあまり苦労せずに手に入るものであれば、なかなかその価値に気がつきませんが、場合によっては第三者が価値を評価してくれることがあります。それは、もしかするとビジネスの本質ではないか?と思います。
例えば、多くの人がなかなか乗り越えることができない課題を克服し、再現性のあるその課題の克服方法を身につけたとしたら、少なくともそれは誰かの役に立つことができます。
あるいは、あるところには豊富にある資源をそれを必要としている人に提供する。技術があれば、簡単に手に入るものを加工して価値あるものに変えて提供する。資本があれば、それを必要としている人が価値あることを実行するために提供して、運用益を出すこともできます。
ここで大切なのは、既に所有しているもの、あるいは簡単に手に入るもので、誰かの役に立つ、ということですね。当たり前だけど忘れがちなことです。
そんな事を、昨日の会社の朝礼でお話ししました。
自分で話をしたのにもかかわらず、様々な気づきがあったので、ここに文章として残しておきます。
皆様にも何か参考になれば幸いです。