こんばんは!まずは皆さん、乾杯っ!ロックグラス

 

 

先日、娘の塾の体験入学で与野まで付き添いまして、終わるまでの時間潰しに近くで1杯飲める店を探したところ、与野駅西口にある「Food&Bar Dwarf」が見つかりました。与野といえばやきとり あらた家やくずし割烹 sawaなど、当ブログでもお世話になっている酒場の多い街。駅西口から歩いて5分ほどの小さなお店で、カウンターの棚にはウイスキーやリキュールがずらり。ペルノやカルーア、ディサローノといった洋酒の瓶が並ぶ、いかにも「バー」な風景に、思わず頬が緩みます。

 

 

どんなお酒が置いてあるかな~と見渡すと、まだ飲んだことの無いウイスキー「ザ・シングルトン ダフタウン 12年」が目に留まりましたので、ロックでオーダーしました。ターコイズブルーのラベルに、鮭のマークと「PERFECTLY BALANCED」の文字。ウイスキー棚の中でもひときわ爽やかな色合いで、目を引くボトルです。

 

シングルトン ダフタウン 12年ボトル

 

シングルトンは、タリスカーやラガヴーリン、グレンキンチーと同じディアジオ社のシングルモルトで、「飲みやすさ」を前面に押し出したブランド。ラベルには「LUSCIOUS NECTAR(甘美なネクター)」「蜂蜜とナッツ、ほのかなコーヒー」と書かれていて、甘口党の下戸にはこの上なく心強い言葉が並んでいます。スペイサイドのモルトはグレンフィディック12年で「過去イチ旨い」と感動したばかり。同じダフタウンの町にある蒸溜所の酒となれば、期待しないわけがありません。

 

 

娘は頑張って勉強し、父は呑気に1杯。これも至福のひとときですw 塾の体験入学というのは親にとっても緊張するもので、待ち時間にそわそわするより、近所のバーで一杯やっている方が、娘にとっても気楽なはず(という言い訳)。お通しには鶏むね肉のカルパッチョが出てきて、これがまたウイスキーと合いそうな塩気と酸味。

 

 

ロックグラスに氷がからんと鳴り、琥珀色の液体が注がれます。ダフタウンの町の名を冠したシングルモルト、しかもディアジオが「完璧なバランス」と自称する一本。塾が終わるまでの小一時間、この一杯とゆっくり向き合ってみますウインク

 

 

ザ・シングルトン ダフタウン 12年とは?

シングルトン ダフタウン 12年 ロゴ

まずはダフタウン蒸溜所(Dufftown Distillery)について。所在地はスコットランド北東部、スペイサイドの中心地ダフタウンの町。グレンフィディックやバルヴェニー、モートラックといった名門がひしめく「ウイスキーの首都」とも呼ばれる小さな町で、その名の通り、町の名前をそのまま蒸溜所の名前にしています。裏ラベルにも「THE DUFFTOWN DISTILLERY, DUFFTOWN, KEITH, BANFFSHIRE」と住所が書かれていました。

 

 

創業は1895年、生産開始は1896年。面白いのはそのルーツで、もともとはダラン川沿いにあった製粉所(ミール・ミル)を改装して蒸溜所にしたものです。先日の七田 純米の天山酒造も水車の製粉所から始まった蔵でしたが、スコットランドでも同じような話があるんですね。1896年にベル社(Bell's)が取得し、1985年にギネス傘下、そして現在は世界最大の酒類企業ディアジオの所有です。仕込み水はコンバル丘陵の「ジョックス・ウェル(Jock's Well)」という泉から引いていると言われていますニコニコ

 

 

さて、「シングルトン」ブランドの成り立ちがまた面白い。2006年、ディアジオは「飲みやすいシングルモルトの入門ブランド」として、3つの蒸溜所を地域ごとに割り当ててシングルトンを立ち上げました。アジア向けにはグレンオード(2006年6月、台湾から)、ヨーロッパ向けにはダフタウン(2006年8月)、北米向けにはグレンダラン(2008年7月)。同じ「シングルトン」の名前で、地域によって中身の蒸溜所が違う、という珍しい戦略です。

 

 

日本では長らく「シングルトン グレンオード12年」がスタンダードだったのですが、2018年9月からダフタウン12年に切り替わりました。2015年にディアジオが3蒸溜所を全世界展開に切り替えたのが背景にあるようです。日本の正規輸入元はキリンビール。ただ、今回バーで飲んだボトルの裏ラベルはオランダの輸入業者名とギリシャ語表記が入ったヨーロッパ向けのもので、日本語の「品目:ウイスキー」シールが貼ってありました。並行輸入のボトルのようです。

 

 

本題のダフタウン12年について。度数は40%、容量700ml。ラベルには「LUSCIOUS NECTAR(甘美なネクター)」というキャッチフレーズと、「蜂蜜とナッツ、ほのかなコーヒーの香り」の一文。裏ラベルの説明を訳すと「ペドロ・ヒメネス(PX)・オロロソでシーズニングした樽と、リフィルのバーボン樽から、蜂蜜の香りとナッツの力強さで選び抜いた原酒。柔らかく煮たリンゴ、豊かなブラウンシュガー、クリーミーなコーヒーとローストナッツの味わい。味わう価値のある、神々の食べ物のような贅沢」。なかなか大仰な言葉ですが、要はシェリー系の甘さとバーボン樽の軽やかさを掛け合わせた設計です。

 

 

蒸溜所公式のテイスティングノートでは、香りに磨いた木、トーストしたヘーゼルナッツ、焼きリンゴ、デーツ、ブラウンシュガー。味わいはナッツの甘み、ブラウンシュガー、エスプレッソ。余韻は中程度から長め、ドライで香ばしいナッツ感、とされています。受賞歴も安定していて、サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション(SFWSC)で2025年にダブルゴールド、2022年にゴールド。インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ2022でもゴールドを獲得しています。ラインナップはこの12年のほか、15年、18年、そしてノンエイジの「マルトマスターズ セレクション」。入門ブランドと言いながら、上を見ればちゃんと熟成の階段が用意されています。

 

 

ザ・シングルトン ダフタウン 12年をチェック!

 

シングルトン ダフタウン 12年 ロックグラス

ターコイズブルーのラベルに鮭のマーク。

バーの棚でひときわ爽やかなボトルです。

 

 

シングルトン ダフタウン 12年 ロック

ロックでオーダー。

氷の向こうに淡い琥珀色が揺れます。

 

 

シングルトン ダフタウン 12年ウイスキーボトル

裏ラベルにはPXオロロソ樽とリフィルバーボン樽、蜂蜜とナッツ、煮リンゴにブラウンシュガーとコーヒーの説明。

ダフタウン蒸溜所の住所と、EU向けの輸入業者表記。スペックは以下の通り。

 

 

銘柄 ザ・シングルトン ダフタウン 12年(The Singleton of Dufftown 12 Years Old)
種類 シングルモルト スコッチウイスキー
産地 スコットランド スペイサイド(ダフタウン)
蒸溜所 ダフタウン蒸溜所(1895年創業/ディアジオ社)
熟成 12年以上(PXオロロソ・シーズニング樽+リフィル・バーボン樽)
キャッチフレーズ LUSCIOUS NECTAR/蜂蜜とナッツ、ほのかなコーヒー
度数・容量 40%/700ml
日本正規輸入元 キリンビール(今回のボトルはEU向け並行輸入品)
参考価格 700ml 実勢3,100〜3,900円前後
飲んだ店 Food&Bar Dwarf(さいたま市中央区・与野駅西口)ロックで

 

 

ザ・シングルトン ダフタウン 12年を飲んでみての評価

 

バーのカウンターに、ロックグラスが静かに置かれます。大きめの氷が二つ三つ、琥珀色の液体の中でゆっくり回り、グラスの表面がすぐに白く曇っていきました。隣のお皿には、お通しの鶏むね肉のカルパッチョ。オレンジ色のソースと胡麻ダレ、貝割れ大根の緑が鮮やかです。

 

シングルトン ダフタウン12年と鶏むね肉カルパッチョ

お通しの鶏むね肉のカルパッチョ。

 

ラベルの「LUSCIOUS NECTAR」が本当なら、甘口党の私にとっては最高の一杯になるはず。グラスを持ち上げて鼻を近づけると、氷で冷えた液面から、柑橘のような爽やかな香りがふわりと立ち上ってきました。娘の塾が終わるまで、あと小一時間。まずは一口。

 

 

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柑橘と蜂蜜のネクター、塾待ちの父を甘やかす一杯。

 

 

 

 

まず香り。フルーティで気持ちの良い柑橘系です。ロックで冷えているせいか、公式ノートにある焼きリンゴやブラウンシュガーより先に、オレンジやレモンのような明るい柑橘の香りが立ってきました。重たいシェリー香ではなく、軽やかで、どこか爽やか。ターコイズブルーのラベルの印象そのままの香りで、バーの空気に良く合います。

 

 

口当たりは甘くてスイーティ。PXオロロソ樽由来の甘さが最初にふわっと広がって、そのあとにバーボン樽の軽やかさが続きます。軽めに感じる甘旨さと、気持ちいい香りがとても飲みやすい。40%という度数と氷の効果もあって、アルコールの刺激はほとんど感じません。「PERFECTLY BALANCED」というラベルの謳い文句は、確かに嘘ではないですね。甘さと香りと軽さが、どこも突出せずに揃っています驚き

 

 

余韻は蜂蜜のような甘さが続いてとても美味しい。ドライに切れるというより、蜂蜜の甘さが舌の奥にじんわり残る感じで、公式ノートの「ドライで香ばしいナッツ感」よりも、私にはずっと甘く感じられました。氷が溶けて加水が進むにつれて、甘さがさらに丸くなり、ナッツのような香ばしさが少しずつ顔を出してきます。ロックで時間をかけて飲むと、この変化が楽しめます。

 

 

そして食事との相性。お通しの鶏むね肉のカルパッチョと相性もよく、とても美味しくいただきました。しっとりした鶏むね肉の淡白さに、胡麻ダレのコクとオレンジ色のソースの酸味。そこにシングルトンの蜂蜜の甘さが乗ると、口の中で甘・酸・旨が綺麗に揃います。ウイスキーと鶏、意外なようでいて、シングルトンの軽やかさなら全く喧嘩しません。バーのお通しとして、これは良い仕事でした。

 

 

同じディアジオのモルトと比べると、グレンキンチー12年の白い花と青リンゴの優雅さに近い方向で、そこに蜂蜜の甘さを足したような印象。グレンフィディック12年の洋梨のフレッシュさとも違い、より丸く、より甘い。スペイサイドの入門モルトとして、グレンフィディックと並べて飲み比べると、それぞれの個性がよく分かりそうです。

 

 

 

総評として、下戸や初心者に「最初のシングルモルト」として勧めたい一本です。柑橘の香り、蜂蜜の甘さ、軽やかな口当たり、そして食事との相性の良さ。どこにも難しさがなく、それでいて安っぽさもない。塾の体験入学の待ち時間に、こんな一杯に出会えるとは。娘の頑張りに感謝しつつ、評価は★★★の満点です照れ飛び出すハート

 

 

今日は映画(洋画)でペアリング!

 

ザ・シングルトン ダフタウン 12年と一緒に楽しみたいのは、映画「ラブ・アクチュアリー」(2003年)です。監督・脚本はリチャード・カーティス。クリスマスを目前にしたロンドンを舞台に、首相と秘書、作家と家政婦、亡き妻の連れ子を育てる父、親友の妻に恋する男など、9組ほどの恋と愛の物語が同時進行する群像劇です。ヒュー・グラント、コリン・ファース、エマ・トンプソン、リーアム・ニーソン、キーラ・ナイトレイと、英国の名優が総出演。毎年クリスマスが近づくと観たくなる、英国映画の定番中の定番です。

 

 

この作品を選んだ理由は、まず英国の酒に英国の映画であること。スコットランドのスペイサイドで造られたシングルモルトを、ロンドンのクリスマスの物語と合わせる。ヒュー・グラント演じる首相が官邸でダンスするあの名場面に、ロックグラスを傾けて笑う。これ以上の英国な夜はなかなかありません。

 

 

もう一つの共鳴は、「父と子」のエピソードです。リーアム・ニーソン演じるダニエルは、妻を亡くしたばかりで、義理の息子サムの初恋を全力で応援する父親。「娘は頑張って勉強し、父は呑気に一杯」という私の状況とは方向が逆ですが、子どもの頑張りを少し離れたところから見守る父の気持ち、という一点では同じです。塾の体験入学を待つバーのカウンターで、ダニエルとサムの空港のシーンを思い出して、少しだけ胸が熱くなりました。

 

 

そして味わいの面。この映画は、たくさんの物語が並行して進むのに、どれも重くならず、最後には「愛は実際にそこら中にある」という一言に着地します。シングルトンの味わいも同じで、蜂蜜、柑橘、ナッツ、コーヒーといくつもの要素が同時に進むのに、どれも突出せず、最後は蜂蜜の甘さに着地する。「PERFECTLY BALANCED」というラベルの言葉は、この映画の群像劇の構成にもそのまま当てはまります。

 

 

上映時間は約135分。少し長めなので、ロックグラスで2杯、氷が溶けていく変化を楽しみながら。前半はコメディ、後半は少し泣かせる展開になるので、蜂蜜の甘さが余韻に残るシングルトンは、後半のお供にぴったりです。クリスマスにはまだ早いですが、秋の夜長に先取りでおねがい

 

 

下戸の酒好き評価点

 

 

※下戸の酒好き評価は味の良し悪しを計るものではありません。

下戸で酒初心者の私があくまで個人的な感覚で評価したものになります。

 

 

★★★

 

 

★★★ … 下戸にも酒初心者にもオススメしたい

★★☆ … 下戸、酒初心者に丁度良く幅が広がる

★☆☆ … 下戸、酒初心者には少し理解が難しい

 

 

ザ・シングルトン ダフタウン 12年の価格&どこで買える?

 

ザ・シングルトン ダフタウン 12年の参考価格は、700mlで実勢3,100〜3,900円前後。日本の正規輸入元であるキリンビールの公式参考価格は確認できませんでしたが、酒販店や通販ではこの価格帯で安定して流通しています。12年熟成のシングルモルトとしては、グレンフィディック12年と並ぶ「3,000円台のスペイサイド」の一角で(グレンリベット12年は最近4,000円台が主流)、初めてのシングルモルトとして手に取りやすい価格です。

 

 

買える場所は、大手のスーパーや酒販店、ウイスキーに力を入れているお店なら置いていることが多いと思います。北与野の井山酒店のような、昔ながらの酒屋さんの棚にもシングルトンが並んでいることがあります。バーで飲むなら、今回のFood&Bar Dwarfのように、ディアジオ系のモルトを揃えている店を探してみてください。

 

 

楽天市場やAmazonでも、「シングルトン ダフタウン 12年」で検索すればすぐに見つかります。並行輸入品も多く出回っていて、今回バーで飲んだボトルもEU向けのラベルでした。中身は同じダフタウン蒸溜所のウイスキーなので、価格で選んで問題ありません。15年や18年、マルトマスターズ セレクションも合わせて売られているので、12年が気に入ったら上の階段へ。

 

 

飲み方は、今回のようにロックでも十分美味しいですが、蜂蜜と柑橘の香りをしっかり楽しむならストレートかトワイスアップもおすすめ。ハイボールにしても甘さが残るので、食中酒としても活躍してくれそうです。ラベルの「LUSCIOUS NECTAR」を信じて、まずは一杯。娘の塾の付き添いのような、ちょっとした待ち時間のお供にウインク

 

 

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