こんばんは!まずは皆さん、乾杯っ!![]()
先日、家族で銀座へ出かけた際、実はあちこちの酒屋を巡ってきました。前回は「ボッテガ ゴールド」をソクハイで購入した話を書きましたが、銀座という街は、ちょっと路地を入るだけで個性豊かなお酒に出会えるので、下戸の私でもついつい長居してしまうんですよね![]()
そんな銀座めぐりのもう一つの収穫が、今回の主役。立ち寄ったのは「GINZA SIX」B2Fにある「BEER BOULEVARD GINZA(ビアブルヴァード ギンザ)」。国内外のクラフトビールがずらりと並ぶ、ビール好きにはたまらない専門店です。冷蔵ケースをのぞいて回るだけでワクワクしてくるのですが、その中でひときわ私の目を奪ったのが、宮崎の「宮崎ひでじビール 栗黒(くりくろ)KURI KURO Dark Chestnut Ale」でした。
なんといっても、この能面が描かれたラベルがただ者ではない雰囲気。黒く落ち着いた佇まいから、「これは何か凄そうだ……」という予感がビシビシ伝わってきます。しかも"栗"を使った黒ビールというのも珍しい。栗の甘いビール……? いったいどんな味なのか、まるで想像がつきません![]()
さらに気になって調べてみると、この栗黒、国内外のビール大会で輝かしい賞を受賞し続けている、知る人ぞ知る激旨ビールとのこと。加えて、あの「マツコの知らない世界」でも紹介された一本だというから、期待は高まるばかり。スタウト系は下戸の私にはちょっとハードルが高いかな?という不安も少しありつつ、それ以上に好奇心が勝って、わくわくしながら持ち帰ってきました![]()
我が家では、こうして気になるお酒を買って帰り、夜にゆっくり開けるのが定番の楽しみ。どんな味だろう、何に合わせよう、と想像をふくらませる時間も含めて、お酒の醍醐味だと思っています。栗黒も、家族が寝静まった静かな時間に、じっくり腰を据えて向き合うことに。世界が認めた和栗の黒ビールは、はたして下戸の私にどんな表情を見せてくれるのか——いざ、栓を開けます![]()
宮崎ひでじビール 栗黒とは?
「栗黒」を醸すのは、宮崎県延岡市に醸造所を構える宮崎ひでじビール株式会社。国の名勝にも指定される雄大な行縢山(むかばきやま)の麓で、その山々が育む清らかな天然水を仕込みに使って、ビールを造っています。宮崎県内唯一の地ビール専門メーカーで、前身は1996年に誕生し、2010年に独立。創業者・故 西田英次さんの名前「ひでじ」が、そのままブランド名の由来になっています![]()
ひでじビールの大きなこだわりが、自家培養した酵母を持っていること。酵母を自前で管理できる醸造所は決して多くなく、それだけ自分たちの味を突き詰めている証でもあります。そこに宮崎県産の農産物を積極的に組み合わせ、「その土地の恵みをビールに変える」という姿勢を貫いてきました。こうした地道な造りが、世界中のビアファンが集うレビューサイトでも高い評価を受け続ける、実力派ブルワリーとしての地位につながっているわけです。
さて、その看板銘柄のひとつが、この「栗黒 KURI KURO Dark Chestnut Ale」。スタイルはダークチェスナットエール(ハイアルコールスタウトタイプ)で、最大の特徴は宮崎県産の和栗を仕込みに使っていること。ローストした麦芽の香ばしさに、栗のほっこりとした甘やかさが重なる、ほかではなかなか出会えない黒ビールです。なお副原料に栗と香料を使っているため、酒税法上の品目は「ビール」ではなく「発泡酒」と表記されますが、中身はまぎれもなく本格的なクラフトスタウト。アルコール度数は9%とかなり高めで、麦芽使用比率も50%以上というしっかりした造りです![]()
受賞歴も圧巻で、アメリカ(WBC)・イギリス(WBA)・オーストラリア(AIBA)の国際ビール大会で三冠を達成。とくに2017年のWorld Beer Awardsではスタウト&ポーター部門で世界一に輝いた、まさに"世界が認めた和栗の黒ビール"なのです。「マツコの知らない世界」でも「天津甘栗を炒っているような香り」「スタウトが苦手でも飲める」と絶賛されたそうで、納得の評価。ちなみに印象的なラベルの能面は、延岡藩主だった内藤家旧蔵の能面がモチーフなのだとか。地元の歴史まで一本に宿しているのが心憎いところです![]()
そしてもうひとつ面白いのが、瓶のまま長期熟成(エイジング)ができること。製造から5か月以上の瓶内熟成がおすすめとされ、賞味期限の表記もなく、数か月〜数年かけて変化する香りと味わいを楽しめるという、まるでワインのようなビール。買ってすぐ飲むもよし、じっくり寝かせて育てるもよし——時間まで味方につけられる、懐の深い一本です。
そもそも"栗を使ったビール"自体がかなり珍しいうえに、それで世界一を獲ってしまうのですから恐れ入ります。栗の旬は秋。温かい料理を囲みながら、ゆっくり向き合いたくなる、滋味深い季節のごちそうのような黒ビール——それが栗黒の立ち位置だと、飲む前から期待が高まります![]()
栗黒をチェック!

茶色の瓶に、能面のイラストと筆文字の「栗黒」、ころんとした栗。
「Dark Chestnut Ale」「9% ALC./VOL.」の文字が、ただ者でない予感を漂わせます。

注ぐと、光を通さないほどの漆黒。
その上に、きめ細かなベージュの泡が静かに立ちのぼります。見た目はまさに王道のスタウト。

裏ラベルには、品目「発泡酒」、原材料「麦芽(英国・ドイツ製造)、和栗(宮崎県産)、ホップ/香料」、麦芽使用比率50%以上、アルコール分9%、内容量330mlの表記。
「アメリカWBC・イギリスWBA・オーストラリアAIBA 国際3冠」「製造年月日から5か月以上の瓶内熟成がおすすめ」「推奨グラス:チューリップグラス/10〜18℃」と、こだわりがびっしり書かれています。
| 銘柄 | 栗黒 KURI KURO Dark Chestnut Ale |
|---|---|
| 品目 | 発泡酒(和栗・香料使用のため。中身は本格スタウト) |
| ビアスタイル | ダークチェスナットエール(ハイアルコールスタウトタイプ) |
| 原材料 | 麦芽(英国・ドイツ製造)、和栗(宮崎県産)、ホップ/香料(麦芽使用比率50%以上) |
| アルコール分 | 9% |
| 内容量 | 330ml |
| 受賞歴 | 米WBC・英WBA・豪AIBA 国際3冠(2017 World Beer Awards 世界一 ほか) |
| 飲み頃・グラス | 10〜18℃/チューリップグラス推奨 |
| 熟成 | 製造後5か月以上の瓶内熟成推奨(長期熟成可・賞味期限表記なし) |
| 醸造元 | 宮崎ひでじビール株式会社(宮崎県延岡市行縢町747-58) |
| 参考価格 | 330ml=約988〜1,090円前後(税込・販売店により異なる) |
栗黒を飲んでみての評価
正直に言うと、飲む前は少しだけ身構えていました。光を通さない漆黒の見た目に、アルコール9%という数字、そして「世界一のスタウト」という前評判。スタウトといえば、ローストの香ばしさの奥にどっしりとした苦みがあるイメージで、下戸の私には重たいかもしれない……という不安が頭をよぎります。
ところが、グラスに鼻を近づけてみると、その不安はすっと溶けていきました。香りからは苦そうなニュアンスがほとんど感じられず、どこか上品さすら漂う、ほっこりとした穀物感。香ばしさの奥に、ほんのりと甘い栗のニュアンスも。さあ、いよいよ一口![]()
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苦くない。なのに、こんなに濃密。
一口飲んで、本当にびっくりしました。これまで飲んだことのあるスタウトとは、まったくの別物
まず、苦みがほとんどありません。その代わりに口いっぱいに広がるのが、まろやかなのに濃厚で濃密な、ずっしりとしたコク。栗由来なのか、ローストした麦芽由来なのか、マイルドな甘味とふっくらとした旨味のバランスが本当に素晴らしいんです。甘栗を思わせるほっこりとした香ばしさが、飲み込んだあともふんわりと余韻に残ります。
「黒ビール=苦い・重い」という先入観を、まるごと優しく裏切ってくれる味わい。とろりと濃密なのに後口はすっきりしていて、スルスルと飲めてしまうので、下戸の私でも杯が進みます。……が、ここに大きな落とし穴があります。なにせアルコールは9%。あまりの飲みやすさにそのことをすっかり忘れて飲み進めると、後からズシンと酔いがまわってきます。この「飲みやすさ」と「度数」のギャップは、くれぐれもご注意を![]()
「一度飲んだら忘れられない、記憶に残るジャパニーズクラフトビール」というキャッチコピーは、まったく伊達ではありませんでした。しかもこの栗黒、瓶のまま長期熟成ができるとのことで、製造から5か月以上寝かせるのがおすすめなのだとか。今回はフレッシュな状態でいただきましたが、ぜひもう1本はじっくり熟成させて、まろやかに変化した姿をまた味わってみたい——そう思わせてくれる、奥行きのある一本でした。下戸でも、黒ビールが苦手な人でも一度は試してほしいです!
今日は映画でペアリング!
「栗黒」には、映画「線は、僕を描く」(2022年)とのペアリングをお勧めします。砥上裕將さんの小説が原作で、両親を亡くし心を閉ざした大学生の青年(横浜流星)が、ひょんなことから水墨画の世界と出会い、巨匠やその孫娘と関わりながら、墨と向き合い、やがて自分自身の"線"を見出していく——静かで、けれど深く胸を打つ物語です![]()
まず、なんといっても響き合うのが「黒」。墨の濃淡と余白だけで、花も水も光までも描き出す水墨画の世界は、光を通さない漆黒の中に、栗の甘やかさやローストの香ばしさといった幾層もの表情を潜ませた栗黒の味わいと、まるで合わせ鏡のようです。ぱっと見はただ一色の"黒"。けれど、じっと味わうほどに、奥から豊かなニュアンスが静かに立ちのぼってくる。その奥行きの深さが、見事に重なります。
そしてもうひとつ。この映画が描くのは、伝統を受け継ぎながら、時間をかけて自分だけの表現にたどり着く姿です。延岡藩・内藤家の能面をラベルにまとい、世界一に輝いてなお「5か月以上の熟成でさらに育つ」という栗黒もまた、伝統的な醸造の技と、時間が生み出す深まりを併せ持つ一本。静かな集中の中で、じっくりと深まっていくもの同士です。夜、照明を少し落として、墨が紙に滲んでいく一筆一筆を追いながら、チューリップグラスの漆黒の栗黒をゆっくりと傾ける。一杯と一作の余韻が静かに溶け合う、贅沢な時間になるはずです![]()
主演・横浜流星さんの、静かで実直な佇まいも見どころ。巨匠を演じる三浦友和さんの落ち着いた存在感とあいまって、画面全体に張り詰めた品格が漂います。水墨画が"描かない余白"でこそ多くを語るように、栗黒もまた、声高に主張しないのに深く印象に残る一本。派手さではなく余韻で勝負するもの同士の、しっとりとした夜のペアリングです![]()
下戸の酒好き評価点
※下戸の酒好き評価は味の良し悪しを計るものではありません。
下戸で酒初心者の私があくまで個人的な感覚で評価したものになります。
★★★
★★★ … 下戸にも酒初心者にもオススメしたい
★★☆ … 下戸、酒初心者に丁度良く幅が広がる
★☆☆ … 下戸、酒初心者には少し理解が難しい
栗黒の価格&どこで買える?
「栗黒」の参考価格は、330ml1本で988〜1,090円前後(税込)。クラフトビールとしてはやや高めの設定ですが、世界一に輝いた確かな実力、和栗を使った唯一無二の味わい、そして瓶内熟成という時間の楽しみまで含まれていると考えれば、十分に納得のいく一本だと思います![]()
私が出会ったのは「GINZA SIX」B2Fの「BEER BOULEVARD GINZA」でしたが、宮崎ひでじビールの公式オンラインショップや、楽天市場・Amazonなどの通販でも購入できます。クラフトビールに強い専門店や百貨店の地酒売り場でも見かけることがあるので、見つけたらぜひ手に取ってみてください。賞味期限の表記がなく長期熟成できるのがこのビールの面白いところなので、何本かまとめ買いして、フレッシュなものと数か月寝かせたものを飲み比べる、なんていう贅沢な楽しみ方も![]()
能面ラベルの佇まいは贈り物にもぴったりで、化粧箱に入れればビール好き・日本酒好きへのちょっと特別なギフトとして喜ばれそう。飲むときはぜひ、ラベルの推奨どおりチューリップグラスで、10〜18℃のやや高めの温度で楽しんでみてください。冷やしすぎないことで栗とローストの香りがふわっと開いて、より一層おいしくいただけますよ![]()
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