山本加津子さんのメルマガから
悠衣ちゃんというお嬢さんがおられます。お母さんと
もお友達なのですが、悠衣ちゃんのことは絵本にもなっていて、その絵本をお友達が
くださったり、お母さんともお会いしたりして、いつか悠衣ちゃんにもお会いしたい
なあと思っていたのです。そんな悠衣ちゃんのところに、ミュージシャンのあきらさ
んが出かけられました。そのときのことをあきらさんがブログに書いておられます。
http://ameblo.jp/akiramania/
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南砺ライブにきてくれたまゆみさんが、娘ゆいちゃんの話をしてくれた。
「アキラさん、お願いがあります。娘のゆいに会ってくれませんか?」23歳のゆい
(北嶋悠衣)は、2歳のとき、筋肉や呼吸を司る部分が冒される「リー脳症」と診断さ
れ、余命2年と言われていた。曲がった背骨、見えない目、動けないからだ、自分で
は食べられない、呼吸ができない、話しかけることもできない。呼吸器による24時間
ケアを受けているとてもか細い女の子だ。お母さんのまゆみさんは、「悠衣」の最後
の絵本をオレにくれた。ゆいのことを描いた、ひらた ひさこの絵と文章が心にしみ
てくる。
寄り添う心と、 愛のあるまなざしがあれば 障害ではなく ハンディでもなく 一
人ひとりの命が輝きます。生まれてきた命 すべてが祝福される世の中。
オレたちはさっそくゆいのいる金沢市「医王病院」へいった。ゆいをケアするために
集まったボランティアの人たちが迎えてくれる。個室に入っていくと、薄化粧をし、
髪に薔薇の飾りをつけたゆいが横たわっていた。ゆいが放つ優しいオーラが病室を包
んでいるようだった。
「こんにちはゆい。今日は唯のために歌うよ」ゆいは目や口は不自由だが耳は聞こえ
る。うれしいときは枕の横に置いてあるウィンドウベルをシャラララーンと鳴らすん
だ。
オレは新曲の「勇者の石」をギターを弾きながら枕元で歌い出した。
「勇者の石」
人はこの世に生まれるまえに 自分で背負う石を決める 生まれるたびに挫折を重
ね きみの魂は強くなる
1
亀の子ほどの重さの石は 苦労を知らぬ子供の石 美と健康と富に恵まれ なにも恐
れず遊びつづけろ アライグマほどの重さの石は 目ざめはじめた若者の石 挑み倒
れてまた立ちあがる 本当のきみを探しつづけろ だいじょうぶだよ きみならでき
るから 運ぶ命を運命と呼ぶ Let’s keep on carrying the rock of the brave
2
オス鹿ほどの重さの石は 悲しみを知る大人の石 嵐のような困難に耐え 愛するも
のを守りつづけろ バッファローほどの重さの石は 神が選びし勇者の石 重い病や
障害を越え みなに勇気を与えつづけろ だいじょうぶだよ きみならできるから
運ぶ命を運命と呼ぶ Let’s keep on carrying the rock of the brave
きみの胸のその奥で 宝石のように光ってる 勇者の石は叫んでるぼくを信じてって
だいじょうぶだよ きみならできるから だいじょうぶだよ きみならできるから だ
いじょうぶだよ きみならできるから 運ぶ命を運命と呼ぶ Let’s keep on
carrying the rock of the brave
「そうだ、そうだ」と言わんばかりに、ゆいは両手をあげて喜んでいる。小さなゆい
の体を通して、賢者の魂が見える。それは堂々とした風格をもち、とっくに輪廻を卒
業したのに、大切なメッセージを人々に伝えるためにもどってきた勇者だった。
この病院ライブを聞きにゆいのボランティアさんたちが10人近く集まってくれた。オ
レはゆいが伝えたいメッセージにあった曲を選び、歌っていく。
1.勇者の石2.イェシュア3.ミタクオヤシン4.Hello my mom!5.ありがとう
病室は涙に包まれながらも、とても幸せな空気に満ちている。「ゆい、歌を聞いてく
れてありがとう。これからもみんなを光でつつんであげてね」とてもあたたかい気持
に満たされて病院を出ると、春の陽ざしがすべての命を祝福するように降りそそい
だ。
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ゆいちゃんのこのときの様子を、よっこちゃんが宮ぷーと私に動画で見せてくれまし
た。よっこちゃんが動画を見せてくださったのはそのとき、一回きりだったのです。
涙がとまらないのと見せてくれました。同じチーム宮ぷーのかおりちゃんが今度、あ
きらさんのコンサートに行くよと教えてくれました。
ゆいちゃんのお母さんも、こうして時々メールをくださっています。そして北海道で
私は、かまちというところで、ネアリカの小さな作品を目にしました。すごく心が引
かれたけど、その名前も、それがメキシコの国で作られているものだということも知
らなかったのです。でも、次の朝、かまちの千代さんが朝ご飯を作りにきてくださっ
て、そして、ネアリカという名前だということを知りました。
私は作ってみたくなって、ネットで調べていたら、日本では、あきらさんという方
が、メキシコでネアリカの方法を教えてもらって、たくさんの人数が集ってネアリカ
を作るということをされていると知りました。そのとき写真をみたら、あれ?よっこ
ちゃんが教えてくれたゆいちゃんのところにこられたあきらさんに似ているなと思い
ました。お洋服も長い髪も、お顔も。でも、毛糸絵と、音楽。違う方面の気がしたけ
ど、気になっていました。そうしたら、ちょうどゆいちゃんのお母さんからメールが
あって、「もしかしたら、あきらさんってネアリカをされているあきらさん?」とお
尋ねしたのです。そしたら、そうだよって教えていただいて、またびっくりしまし
た。とても不思議。
母はすっかりネアリカを気に入って、さっそく私が途中で残してきた二枚目の作品を
仕上げたそうです。人と人はいつもいつもつながって一緒に歩いているんだなと思っ
てまたうれしい今日です。
かつこ
つづく