日本を破壊する安倍新自由主義路線 | 『月刊日本』編集部ブログ

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日本の自立と再生をめざす言論誌

 弊誌2月号は本日22日より店頭販売を開始しております。

 

 今月号では「日本を破壊する安倍新自由主義路線」という特集を組みました。第三次安倍内閣の発足直後、日本郵政の株式上場が各紙で報じられました。小泉政権時代に推進されていた郵政民営化路線が、安倍政権になり再び力を強めてきたということです。

 

 日本金融財政研究所所長の菊池英博氏は、「株式上場が行われれば、郵政マネーは外資の手に渡る突破口となる」と述べ、マスコミは「1998年のNTTドコモ上場に匹敵する大型上場」などと浮かれているが、問題の本質は郵政マネーが外資に奪われるかどうかにあると指摘しています。

 

 最大の問題は国債の運用にあると思います。2013年3月末時点で、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の国債保有額は194兆円にのぼり、全体の2割を超えています。菊池氏はそれ故、外資がこれらの株式を握り、国債の買い替えを渋るようになれば、国債は暴落し、長期金利が急騰すると指摘しています。国債を国内で消化する仕組みが崩れてしまえば、これまで増税派が掲げてきた「国債暴落論」が現実味を増してくる恐れがあるのです。

 

 ジャーナリストの佐々木実氏は、なぜ今世界的にトマ・ピケティの『21世紀の資本』が読まれているのか、そのブームの謎に迫っています。日本でもピケティの著作は読まれ、格差是正に関心が集まっていますが、安倍政権は未だに竹中平蔵氏をブレーンにして新自由主義的政策を進めています。佐々木氏はその時代錯誤を批判しています。

 

 東京大学教授の鈴木宣弘氏は、安倍政権の推進する農業改革を批判しています。農業改革はTPPと密接な関係があり、このままでは農協の地域協同組合的な役割が破壊されてしまう恐れがあると指摘しています。また、安倍政権は大規模農家を育成すると言いながら、米価の下落について有効な対策を打っていません。米価が下落すれば、最初に潰れるのは大規模農家です。鈴木氏は、政府は大規模農家を潰していると批判しています。

 

 今月号ではもう一つ、「沖縄――その苦悩と決断」という特集も組みました。安倍政権が強行する普天間基地の辺野古移設は、沖縄の民族意識を覚醒させ、沖縄を独立させかねない極めて危険な政策です。しかし、安倍総理にはその認識が完全に欠落しています。

 

 哲学者の山崎行太郎氏は、翁長沖縄県知事はアメリカ政府や国連と直接交渉しろと述べています。それは沖縄の独立を支持しているからではなく、それこそ日本国家のためになるからです。山崎氏は、辺野古移設を進めれば沖縄の独立気運が高まり、かえって日本の安全保障が損なわれることになるが、翁長知事がアメリカや国連と直接交渉して国際世論を動かし、辺野古移設を阻止できれば、沖縄の独立気運は鎮まり、日本の安全保障は保たれるという逆説を指摘しています。

 

 今月号ではさらに川内原発の問題も取り上げました。鹿児島県の川内原発は再稼働へ向けて動き出していますが、平成17年(2005)1125日の読売新聞は社会面のトップ記事で、川内原発の敷地内に「合計8500トンの不用な鉄筋を埋めた」との内部告発が、経産省原子力安全・保安院に寄せられていたと報じていました。その後、続報は出ず、政府も何の対応もしていません。しかし、この報道が事実であれば大問題です。川内原発を再稼働するのであれば、安倍政権はこの内部告発の内容を徹底究明し、川内原発の安全性に影響があるかないか、徹底検証すべきです。

 

 その他にも読み応えのある記事が満載です。ご一読いただければ幸いです。(YN)







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