伝統芸能ならぬ伝統食 | BOSSの独り言

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月刊BOSS編集長・関慎夫がつづるインサイドニュース・ブログ

南氷洋での調査捕鯨が中止に追い込まれました。
これを受けて、「鯨食は日本固有文化」と憤っている人がいます。
その気持ち、わからなくはないけれど、私自身、この2年間は鯨を食べていないし、その前だって、鯨ベーコンを居酒屋で1枚か2枚食べた程度。若い頃に、新宿や渋谷の専門店に何度か通ったことはあるけれど、とてもではないけれど、鯨食になじんでいるとは言えませんし、いまこの瞬間に日本からずべての鯨肉がなくなったからといって、まったく痛痒は感じません。
ですから、南氷洋の調査捕鯨中止も、いまひとつ実感がわかない。現実に鯨で生計を立てている人もいるわけなので、あまり迂闊なことは言えませんが、鯨食はとっくに、能や狂言などの伝統芸能同様、国の保護なくては存続できない伝統食になってしまっています。
今後、北太平洋での調査捕鯨も中止に追い込まれる可能性がありますが、近海での鯨漁は続けることができるようです。細々と、文化を継承するしか道はなさそうです。