こんばんてーん

 

げきみそです。

 

 

 

これも年末、他の新刊と共に発売になっていたものですが。

 

『岸辺露伴は嗤わない』

 

 

先日は実写版の新作映画も発表されました『岸辺露伴』シリーズのノベライズ第4弾。

 

これまで通り、ウルトラジャンプ本誌の付録冊子で掲載されたものに新作幾つかを足した短編小説集。タイトルは「叫ばない」「戯れない」「倒れない」と続いて「嗤わない(わらわない)」というね。

 

表記が“笑う”ではなく“嗤う”と難しい表現になっているのも露伴らしい雰囲気ではありますが、意味的には嘲笑うとか穿った見方が含まれる言葉なのもそれっぽい。

 

 

今回は昨年春頃のウルジャン冊子から2編と新作が2編の計4編。

書かれているのは全て昨年からこのシリーズに加わった作家さんの柴田勝家先生となり、この小説単行本シリーズでは初めて北國ばらっど先生の作品が含まれていないですね。

 

とはいえ、実写版がかなり定着している今から担当されているだけに“岸辺露伴”の解像度というかネタの応用は上手く、原作やシリーズの他エピソードとの繋がりが垣間見える箇所もありつつ、また新たな露伴像が描かれています。

 

 

 

前半の2編はウルジャンから再録。

ひとつは露伴が訪れた海外の蚤市で手にした人形を巡る「曰くのない人形」、何も曰く付きが無いのが逆に違和感っていうとこからその理由、そして意外にも歴代屈指の窮地に追い込まれる現象の強さは読みながら解決策を予想するのも難しかった。

 

もうひとうは「ペア・リペア」という露伴がとある住宅地の庭園に立ち寄ったことから事件に巻き込まれる話、こちらは“ヘブンズ・ドアー”もふんだんに活用され対峙する怪異の内容も相まって“ジョジョ”っぽさも感じられる。

 

 

それから新作の2編。

ひとつは「不見神事」という、雑誌の編集者と共に(切っ掛けは蕎麦屋の取材で)訪れた山奥の集落にて偶然知ったとある神事と、その全容を調べようとする露伴とそれをやんわりと阻む周りの雰囲気。

 

同シリーズらしく徐々に怖さが出て来る感じやスタンドバトル的なところではない静かなせめぎ合い、また露伴が第三者的になっているのもこの小説版ならではの良い描かれ方だなと、個人的には好きなエピソードでした。

 

 

最後もうひとつは「ファン・鏑木八平太の場合」と題して、サイン会に来た熱狂的なファンとの出会いとそこから露伴が苛まれる同人物に纏わる事案。

 

こちらはファンに迫られるダイレクトに露伴が関わる話になり、露伴の作品に心酔するあまりの行動なので被害者であり原因でもある露伴の立ち位置、そして加熱する“ファン”の行方は…っていう。

 

個人的にはジョジョ本編のとあるボスキャラにも通じる要素があるなと思いながら、露伴に対して相性の悪い敵が自身の熱狂的なファンである構図もなかなか。

 

 

 

やっぱりね、読みながら頭の中で原作漫画の絵にして思い浮べたりしますけどらいつからか「このエピソードが映像化されるなら…」と毛色によっては実写版での想像が容易かったり。

 

今回の4編なら私的には「不見神事」あたりはドラマ向きかな?とか、「ペア・リペア」と「鏑木」は実写の映像化はちょっと面倒なとこ多そうとか。「人形」はどっちでも画になりそう。

 

 

「ルーヴル」の映画化以降、テレビドラマ版としては「密猟海岸」しかないですが、またドラマシリーズも年末に3夜連続とかでやって欲しいもんです。

 

まさかのルーヴル美術館で撮影、からの全編イタリアと来ましたから、次はGUCCIさん辺りの許可が得られるといいですねぇw

 

 

 

 

 

げきみそ☆パーンチッ!! ΣO( ̄□ ̄  o)