こんばんてーん

 

ネタバレばっかりですが…、げきみそです。

 

 

先月、ジョジョのスピンオフ漫画『クレイジー・Dの悪霊的失恋』の最終となる3巻が発売。

 

きっと本編の第9部が始まるまでの繋ぎだろうから短期連載なんだろうなとは思っていたけど、やっぱりそんな感じでしたね。

 

 

かつてDIOの元で飼育されていたスタンド使いのオウム“ペット・サウンズ”の行方を追って杜王町にやって来たホル・ホースと、そこで出会った仗助の一連の事件もクライマックス。

 

前回の続きは、トト神の本を手放してDIOの呪縛から抜け出そうと足掻くボインゴが敵に利用され、仗助もろとも罠に嵌められ窮地に陥っているところから。

 

ペット・ショップの冷気とガソリンによる炎焼で生殺し…という過去の記憶を見せられて瀕死になりかけるが、そこはメンタルお化け(笑)仗助の機転により幻覚を振り払うことに成功。

 

聴覚から作用する幻覚ってことで、そこの感覚を(敢えて仮死状態になって)一旦遮断すれば解ける、っていう脱し方。

 

まぁ、この辺はまだ分からんではない範疇だったけど…

 

 

例のオウムを使役する警察官の仮頼谷(からいや)が、自身はスタンド使いではないのにどうやって操っているか…の訳。

 

スタンドは精神力の容量が大事だが小動物が故に足らず能力をフル活用していないが、仮頼谷が身体の一部(ここでは耳たぶ)をオウムに食べさせることで「魂を連結」させてオウム側のスタンドを操っている、なんて。

 

…そんなルール、有り?(笑

おそらくスタンド使いでは無い者がそこまで仕組みを理解してやれてるのも謎だが、その間接的にスタンド使いになれちゃう感じって何w

 

あと、すごい結果論みたいなことだけど、そんだけのスタンドなのに本体がアレだってなると、DIOならプッチ神父にディスクにして取っといてもらった方が良かったよね。←

(; ^_^)

 

 

その後、再び幻覚を食らう一同。

仗助はDIOとダービーの解析という場面を見る。

 

 

仗助と分断されたホル・ホースは3部本編出番のちょい前、自身のことを思い出す。

 

「一番よりナンバー2」が信条だがスタンドは“皇帝”を暗示することの葛藤。

ここではエンヤ婆だけでなく皮肉を言ってジョースター達の暗殺へ向かうデーボ…とか、前述のダービーといい初回のマライヤ達みたいなファンサービス的な客演も。

 

ボインゴ同様、DIOの手下だった時代からの呪縛が離れず、相手スタンドによる過去の幻覚を通じてトラウマと向き合っていくという展開。

 

ジョースター一行は勿論のこと、敵側も一部の忠誠的な輩を除いては恐怖で従うしかなかった旨の表現で今回の主役側であるホル・ホースやボインゴの悪役感を悩むヒーローのポジションに描いている感じ。

 

元々がホル・ホースは味方側に成りそこねたキャラクターだから、こういう役回りは当時からのファン的にもそこまでイメージ崩れない絶妙な扱いだよね。

 

 

また花京院の従兄妹である涼子は、見せられた幻覚の向こうでvsテレンス時の花京院の精神と出逢う。

 

このスピンオフ内では、家族旅行の最中に涼子を庇うかたちでDIOに洗脳された…となっているので、その際の真相を追う涼子は当然本人に迫るのが、この時点の花京院は“恐怖を乗り越え”ているので自分の弱さを認めて諭してくる。

 

 

これは…ペット・サウンズが当時あの館内での戦いをどこかで見て記憶していた(させられていた)のかな?

 

前巻まででは結構いろいろ設定を頑張って組んでいた感じがしてたけど、3巻の範囲辺りからは細かいところの詰め方よりも演出重視に変わっている印象。

 

ダービーの記憶に重なっていた仗助も、DIOに追い詰められているダービーに共感しながら…よく分からん理屈(笑)で闇雲に“目の前”を攻撃することで、何となく打開。

 

何度もこのスタンド攻撃を受けて幻覚に慣れていたのか、そうだと認識してメンタルを保てていれば現実の自分も無事に動ける?のか、基準が曖昧な感じ。

 

 

幻覚の中から“目の前”のオウムと仮頼谷を攻撃、更に幻覚の追い打ちを掛けようとするが記憶を“音”から再現する能力のため嘴を破損させれば“音(正常な鳴声)”を出せず使用不可…

 

なんていう、仗助にしてはしっかりした考え(笑)でペット・サウンズを封じる。

 

こうなると無力な仮頼谷、往年のラッシュを生身で受けてリタイアとなった。

 

仮頼谷が黒幕だと瞬時に判断出来た理由も、こんな不良の成りをした輩(仗助)を疑わず近付いてくる警官が居るはずない、っていう悲しいかな自身の経験に基くものだったという。

 

 

オウムは仗助によって治療され無事に引き渡され、涼子もホル・ホースから「人類を救った」花京院の事を聞くことが出来て、とりあえずボインゴもトト神が手元に戻って…一件落着?

 

ホル・ホースが涼子を安心させる為だとしても花京院が人類を救ったというのは、DIOの能力を解き明かして一行の勝利へ導いた功績を考えると、あながち間違いではないからね。

 

 

そして最終話の冒頭では、現在はボインゴのスタンドであるトト神は遥か昔から存在していたとか、本来の役目は歴史の記録であり未来予知はその余波に過ぎないとか、オリジナルの解釈をしつつDIOの呪縛を強調していた。

 

掻い摘んで展開を話しましたが、細々と本編の掘り下げにあたる演出も多く楽しめるものだったけど、この巻の範疇だとその解釈や說明の付け方に賛否両論ありそうなところも。

 

まぁ、基本的にはファンサービスの延長だと捉えておくのが妥当なのかな?(笑

 

 

お世話になった東方良平に挨拶にいったボインゴ、相変わらずおどおどしているところトト神には良平が近い未来に…という4部本編を思わせる予言が。

 

それが目に入った良平は半信半疑ながらも、その悪い予感から「仗助の父親」を呼ぼうかという思いに…と、ボインゴからそこに繋げるのかって小ネタもありながら。

 

個人的には、オウムをエジプトに連れ帰るホル・ホースが今度はオインゴが借金取りに捕まったからギャングと交渉を、なんて台詞があるので…

 

もしやそのギャングはイタリアの方の組織じゃないよね?なんていう、次は5部にも股をかけるホル・ホースのスピンオフシリーズ化、なんて展開を期待しちゃうよねぇw

(  ̄▽ ̄)

 

 

最終的には、キレイな感じに纏まった本作。

 

過去の記憶を幻覚として見せるスタンド…という設定を通じて、既にリタイアして再登場が叶わないキャラクターまでイジったりしてて、ネタ的には楽しいスピンオフでしたね。

 

やっぱり後半の諸々、能力だったり何だったりの設定等がよく分からんというか、展開の御都合がちょっと強めだったのは気になったかなぁ。

 

 

 

…なので、

 

同時発売だった小説版(これ原作の扱い?)も買っといたから、これを読んだら詳しく説明されてるのかな…なんて淡い期待を込めながら、これから呼んでみようかと。

 

漫画的な展開としてはテンポ重視で良かったけど、小説ではどうなっているか…

あの『恥知らずのパープル・ヘイズ』の上遠野先生ですから上手いこと描かれてるといいんですが、まぁ過度に期待し過ぎず気楽に読んでみましょうw

 

 

こういうコミカライズのスピンオフってのも意外と新しい企画でしたから、個人的には今後も短編ならちょこちょことやってくれても面白いなと思いましたが。

 

最近ではリサリサ先生のスピンオフ小説とか、それこそ『恥知らず』や『THE BOOK』みたいな過去の傑作ノベライズもコミカライズしてみて欲しいですね。

 

本編の『ジョジョランズ』も勿論楽しみではあるんだけど…

とにかく、スピンオフだろうが何だろうが“ジョジョ”の供給は多くて困ることは無いですからw

 

 

 

 

 

げきみそ☆パーンチッ!! ΣO( ̄□ ̄  o)