こんばんてーん

 

げきみそです。

 

 

 

今月入ってからですかね…

店頭で見て、思わず衝動買いしてしまった本をひとつ御紹介。

 

IMG_20220327_212339.jpg

『ガンダム・センチネル ALICEの懺悔』

 

 

タイトルから明らかですが、こちらは“ガンダム”の外伝作品。

1980年代後期(Z~ZZ終了後)に模型誌の連載として展開されていた、当時はまだ斬新だった“ガンダム”のメディアミックス企画として公式にキット化もされた『ガンダム・センチネル』。

 

『ポケットの中の戦争』等のOVA作品よりも先駆けてテレビシリーズの軸に沿った裏側の戦争を描いたもので、まだ公式外伝の展開という概念も定まっていなかった時代の産物。

 

当初は模型を使ったジオラマフォトのストーリーとして描かれていて、そこに添えられていた小説部分だけを纏めて増補されたのが“ALICEの懺悔”と副題が付いた本書。

 

 

これね~!

中学~高校の頃、ガンダムシリーズも小説版とか読むようになってて『Gジェネ』で概ねのストーリーは見ていた本作もちゃんと把握しようと思って、読んだんですよね。(その時点で発行から10年以上後)

 

しかし、如何せん…約2000円とお高めでしたから当時は買えずに、ずっと手元には持ってなかったんですよね。

 

それがその当時以来に見掛けたもんで(2015年の第9版だった)、なんか嬉しくなって思わず買ってしまいましたw

(;^_^A

 

 

 

これ、所謂主人公機にあたる“Sガンダム”は近年でもゲーム作品にスポット参戦していたりするので、それでMSだけは知名度高いと思いますけどね。(それにしたって“Ex-Sガンダム”ばっかりだけど)

 

最近だと外伝作品って一気にガンプラ化やゲーム参戦なんかの展開がされて推されますけど、当時の出自の特異さからイマイチ掘り下げられない『センチネル』ですが。

 

今でも…公式かどうかっていったら微妙なところだよねぇw

 

 

IMG_20220327_212407.jpg

ちなみに、本書の挿絵はカトキハジメ氏(当時は平仮名表記)。

 

模型を使った写真との連動だったから、本書でもそれほど挿絵は多くないですけど、全体的に渋い感じの…そこだけで取っ付き易くなるようなもんではなく、あくまでもイメージを補完する程度。

 

 

そもそも本作自体が結構な渋さですからね。

 

時系列としては『Z』終盤から『ZZ』序盤までくらい。

ティターンズ崩壊からエゥーゴに納得いかない(笑)一部の地球至上主義を掲げる部隊が“ニューディサイズ”を名乗り、エゥーゴ派主導になっていく様相の連邦本軍に反旗を翻すという。

 

それに対して連邦(エゥーゴ)側は、実は人工知能が登載されている試験機“Sガンダム”や“Zプラス”“FAZZ”といった機体を投入した“α任務部隊”を派遣する。

 

…というのが、簡単なあらすじ。

 

 

連邦の内紛って点ではグリプス戦役の延長ですが、新撰組のオマージュが見受けられる“ニューディサイズ”の面子は強い信念や侠気みたいなものがあり、後に『0083』で登場する“デラーズ・フリート”のような燻し銀のカッコよさがあり。

 

対するSガンダムのパイロットである主人公のリョウ・ルーツは若干DQNっぽい(笑)キャラクターだが作中ではそれなりの成長も描かれ、どちらかといえば硬派なSFをやっている。

 

その反面、登場人物は基本的に軍人の男性ばかりで華が無く、敢えてヒロインは…といえばSガンダムに登載されているAIの“ALICE”が女性的に描かれている程度で。

 

 

渋く色気も少ないが、ちゃんと『Z』やその前後に当て嵌めて考えても齟齬は無さそうだし、逆に『Z』での政治的な顛末がよく分からなかった人はこちらから読み解けることもあるかもしれない。

 

IMG_20220327_212444.jpg

ただ、元が模型誌連載だったからか小説としては読み難いところもあり、特に横書きの英字を挟んで表記される戦況の(アスキーアートのような)図解や、人工知能の独白みたいなものが書かれたりする。

 

こういった手法が入っていることで純粋な読み物としてはアレかもしれないが…まぁ、どのみちガンダムの外伝小説ってことでラノベを読むノリで考えてもらったらいいのかなw

 

 

出てくるMSは後に知名度を得たものも多いですから、意外と初心者でも大丈夫だと思うんですよね。

 

ましてや、昨年から『閃光のハサウェイ』が大ヒット中ですから、あの感じで映像化してもらったら本作も意外と中身は知られていない外伝小説として返り咲けるかもしれない。←

 

 

 

基本的にはこれの前年に刊行されたジオラマフォトと共に掲載されてる方を読むのが分かりやすいでしょうけど、本書はあらためて読むと結構なことを口走ってる(笑)後書きなんかも必見だと思いますから、ガンダム好きで未読の方はちょっと探してみてほしいですね。

 

…好みは分かれる作品だから、合わなくても責任は負えませんけれどもw

 

 

 

 

 

げきみそ☆パーンチッ!! ΣO( ̄□ ̄  o)