こんばんてーん
げきみそです。
ここ数ヶ月SNSで話題になっていた、とあるマンガの単行本が今月発売になったので、買ってみた。
タイザン5『タコピーの原罪』(上巻)
webコミックアプリ“ジャンプ+”にて連載されている“タコピー”ですが、アプリの更新(最新話掲載)と共にTwitterのトレンドに挙がっていたりして、かなり注目されている作品。
私もアプリで見て話題になっている要因も知っていたのですが、しっかり全話を読んでいた訳ではないので単行本で一気読みしてみようかなと。
これ帯に書いてあることが既にハードルを高めている気もするんですけど、ちゃんと内容を読めば…そのハードルは軽々と越えてくれるでしょう!(とハードルを高めるw)
(  ̄▽ ̄)
物語は、自称・ハッピー星人という簡素なデザインの如何にもな宇宙人が、地球で小学生の女の子と出会ったことから始まる。
その冒頭だけなら、困っている宇宙人とそれを助けた少女っていう日常ファンタジーの王道みたいなテイストで、少女から“タコピー”と渾名された彼(?)も不思議な道具で恩返しをしようと奮闘する、ありがちなモノ…
なのだが、地球の常識を知らずポジティブな考えしかないタコピーと、辛い境遇で日々を過ごす少女(しずかちゃん)との溝、そしてタコピー目線と現実とのギャップがなんともいえない狂気を醸し出している。
ある場面、タコピーからは輝いて見えるしずかちゃんの存在…
それが次のページ(劇中での翌日)ではボロボロな姿に描かれているといった表現。
ストーリーの内容もさることながら、ビジュアル的な落差がページやコマ毎にぶち込まれているのが、まず読んでいて衝撃的なところだろう。
多分web連載だから出来たことだけど、今はジャンプ本誌だったら出来なかったことかもしれないですね。
暴力的な表現が…とか、見た目にグロいからとか、そういった直接的なところとは別のセンセーショナルなとこになってますから、それも目を引くところ。
簡単に言ってしまえば、小学生の虐め問題とか社会的な闇を描いていて、それを無知なタコピーの視点から客観的に表現しているのが狂気的に見えるポイントのひとつ。
直接の説明はされないものの、子供たちの会話や自宅の様子から、何故その子供たちが虐めたり虐められたりということになっているのかの境遇を読みとれるので、単純に虐めっ子が悪者という訳でもない。
そして、そんな境遇をなんとか打破しようとするタコピーは母星の不思議なアイテムを使って解決を試みるが…
時を遡るとこが出来る“タイムカメラ”で、しずかちゃんと出会ってから…とある衝撃の出来事があるまでの数日間をやり直すのだが、何度やっても好転しないどころか絶対に悲劇を回避出来ないことが分かってきてしまう。
とても暗い現実的な話に、タイムリープや魔法的なアイテムを使ったファンタジーを被せているのに、益々その闇を浮き彫りにしていくだけ…という。
これはねぇ…
全部あらすじを書いて、SNSで話題になってるような考察をしたいくらいなんですけど、逆に読んで考えて欲しいってのがあるので、詳しくは書きませんw
タイトルにもあるタコピー(この宇宙人)の“原罪”が何かというのも、この巻の中では示唆されているのだが、それもホントの意味ではないのではないか…とか、
寧ろネットの考察を読んで気になってみてからでも、十分に楽しめる(という言い方が適切か分からんがw)ような作品なので、ちゃんと単行本化されてるのは有り難いですね。
ちなみに“1”巻ではなく“上”巻となっていて、続きは4月にすぐ刊行予定となっているので、それほど長編でもなく少し待てば全てを一気に読むことも出来るはず。
なので、続巻が出てからでも読んでみて欲しいですね。
…ちょっと家庭環境(特に親子間)の辛さとかが描かれているので、そういうのが苦手な方にはオススメしかねるんですが。
(;^_^A
ちょいちょいキラキラした(タコピー目線であろう)楽しそうな場面とかも出てくるのですが、こういうのが入ってくるところがまた…闇を引き立ててるんだよねぇ…w
どうやら短編で終わりそうなので、私は単行本化が分かった時点で「webで読まずにこのまま続巻を待とう」かなと決めたので、ホントに来月が楽しみです。
物語の衝撃度は、私見だと“まどマギ”を情報無しに初めて観た時のアレに近いものがありましたから、考察好きやその類いのショック(笑)に耐性のある方は、是非とも一読してみてくださいw
(* ̄∇ ̄)ノ
げきみそ☆パーンチッ!! ΣO( ̄□ ̄ o)