こちらのブログではお久しぶりです。
中西彩乃です。
諸事情あって、こちらのブログはしばらくお休みしておりましたが、最後なんで、こっちで(笑)


アクト青山 テアスタ春  岸田國士傑作短編選
『恋愛恐怖病』
終演いたしました。
ちょうど、1週間前なんですね。
なんだか、もっとずいぶん経ってしまった気もします。

怒涛の1ヶ月でしたからね(笑)
濃密な半年間でしたからね(笑)





まずは…

本番1週間前に役者の降板、配役変更があったこと、心よりお詫び申し上げます。
本当に申し訳ありませんでした。


また、1週間前にもかかわらず、出演を快諾してくれた葵ミサさんにはいくら感謝してもしきれません。一生頭上がらないです。
「この役がやれて楽しかったー!」と言ってくれたことが救いです。
ミサさんが1本目の【カルテU】でしっかりと美しく可愛い可憐かつ芯のあるヒロインを演じてくれたからこそ、私は安心して2本目の【カルテD】でバカなことができました。おバカでハチャメャな【カルテD】がお客様に受け入れて頂けたのも、【カルテU】のミサさんのお芝居あってこそだと思います。
本当にありがとうございました。
そしてどうせならもっとじっくりみさきちのヒロインを堪能したかった!!(笑)




さて。
今回、初演出だったわけですが……

いやはや。

明も暗も実に濃密で盛りだくさんな半年間でありました。


活動ブログにもtwitterにも書きましたが、
本当、

ゲロ吐きそう!!

ってことが何度も何度もありました(笑)


もう私みたいなもんは芝居やるべきじゃなーい!!って本気で思ったことも何度もありました。


でも始めたからには本番終わるまではそう易々とはやめらんないし、本番終わったら終わったで、半年間がんばってきてよかったあああーー!!って思っちゃうし(笑)
なんちゅーか、やっぱり芝居が死ぬほど好きみたいです、私(笑)



えーと、今回『恋愛恐怖病』を演出したわけなんですけど、この作品をやることになったのは実はたまたまというか、私の意思は殆どなくて(笑)

岸田國士傑作短編選を、作品ごとに演出家も変えて公演するよ!ってなったのが、私の客演してた公演の本番真っ只中の時で。
私は他人事のようにふーん、と、アクトのグループラインを見てたわけなんですけど、そんな私に小西さんから「どれやりたい?あ、演出ね。」ってLINEがきて、どえええええええ?!?!え?演出??ってなって、でも本番真っ只中だし、てかあと20分くらいで開場だし!ってなって(笑)
「いや、ちょっと待ってくださいよ!」「やだー」みたいなやりとりがあって(笑)、「じゃーもーどーせやるんで、勝手に決めて下さい!」みたいな返事をした…たしか…たぶん(笑)


そんなこんなで、「じゃー見てみたいから恋愛恐怖病ね!」って返事がきて…やることになったわけです、恋愛恐怖病(笑)





作品については、10年くらい前に先輩達がやってたのを一回観たっきり。当時の印象は、しっとりした切ない大人の恋愛劇……。
客演の本番終わって、バラシと打ち上げの合間の時間に青空文庫で改めて読んでみた。
ん?んん???
なんだよ!!全然大人の恋愛とかじゃねーじゃん!!当時の私お子ちゃまかよ!チョーあるあるじゃね?つか、この男クッソムカつくな!!クソ野朗じゃん!!あと、どこが本当でどこか嘘??けっこう色んな解釈できるなーこれ。


そこからもー、どう物語を形作るか、配役はどうするか、方向性、テーマ、音響照明、セット、歌もある!色々色々考える日々の始まり。

考えるのは、とても楽しかった。
でも難しいこともたくさん。
作品はもちろん、自分とも人とも向き合うことがたくさんあった。


やっぱり恋愛モノって、お芝居の中でも特に人間性が浮き彫りになるなーって、つくってて思いました。恋愛って、選択の連続だし、とっさの反応もいっぱい出るし、逆に熟考もするけどそのカタチも其々だし、価値観もモロに出るし、どうあっても対人の事象だし。

そして、ほとんどの人が人生の中で避けて通れないものだし、避けても逃げても結局自分の意思とは関係なく捕まるし(笑)

そう、自分の意思を無慈悲なまでに無視して襲いかかってくるじゃないですか、恋愛って。
だから、『恋愛恐怖病』の【男】に対して、お前のその屁理屈、全部無駄でしかないぞ?お前の望むもの何一つ生まないぞ?と思って(笑)
あの【男】の屁理屈をぶん殴ってやろうと思って、作品をつくりはじめました。
そもそも、恋愛恐怖“病”ってことは、恋愛を恐怖することが不健全だといってるんですよね。その反面、“病”ってのは、「仕方がない」って意味も含んでいる気がしてるんです、私。
病気って、仕方がないじゃないですか。なっちゃう時はなっちゃうし、風邪引いたら咳するのも鼻水出るのも熱出るのも止めようと思ってもできないし。ただ、処方、はある。
だから、「一度落ちた恋から逃げられると思うな!でも、その気持ちはわかる!みんなあるあるだ!でもな…!!」と、思いながら、つくりました。

あ。今回、百合設定入れたんですけど、これも、たまたま(笑)

今回の出演者の伊藤潤と永野仁海は全然関係ない話をLINEでしてた時に『恋愛恐怖病』の話になって、「え、それ出たいんだけど!」ってそれぞれ立候補してくれて。で、ひとみん(永野)が出るなら、ヒロインってガラじゃないから(笑)やるなら台本上【別の男】って役名の役を女にしたらハマるんじゃないかと。


ついでに言うと、2本立てにしたのも、最初からじゃなくて、稽古の途中から。
伊藤と永野がそれぞれ役づくりというか役を掴むのに苦労してたので、2幕の稽古をしてた時に息抜きがてら役を逆にしてやってみたんですよ。そしたら、けっこうそっちのハマりの方が良くて(笑)あれ?こっちもアリ?いや、もともとのも捨てがたい……いっそ、両方できないかな?なんて。


2本立てだとしたら…と考えていくと、ひとりの役者さんがまったく違う2つの役をひとつの公演で見せるのって楽しそうだし、テーマのひとつに考えていた部分のひろがりも出るし…と、どんどん2本立てでやりたい気持ちが大きくなっていきました。

なんとか小西さんからの許可も頂いて、2本立てでできることになったのですが……いやはや。これが大変だった(笑)



遅々として進まない稽古。
うまくいかないアレヤコレヤ。
不器用な役者さんたち(笑)。

何度か、なんで2本立てにしちゃったんだろー!!!って自分を呪いました(笑)

特に、配役変更になって以降は(笑)
時間ないよー!!でも2幕ものが、2本分あるよー!!あれもやらなきゃこれもやらなきゃ!あ!あれも考え直さなきゃ!!ひー!無理ー!!って。


でも、結果的には2本やってよかったなと思ってます。
お客様からの感想を聞いても、2本立てだったことに楽しさや意味を感じて頂けたようなので…。



男でも、女でも、
片想いでも、両想いでも、
異性が相手でも、同性が相手でも、
美男美女でも、珍獣でも(笑)、
今も昔も、
つらそうな恋でも、楽しそうな恋でも、


きっとどんな恋だって、
きっとどんな人だって、



色んなことがあって、紆余曲折あった半年間だったけど、そこはずっと思ってつくってきたので。むしろ、つくっていきながら、その思いの幅はどんどん広がっていったくらい。
だから、そんな思いが、観てくださった方々に少しでも伝わっていたら嬉しいです。





まぁ、でも。
作品がぎゅ!っと出来上がってきたのは、やはり本番までの1週間の間でしたね(笑)







1本目の【カルテU】(1幕)は、半年間積み上げてきたものにミサさんが持ち込んでくれたものを合わせて出来上がりました。『驟雨』の出演もあり、またプライベートでも本当に色々大変な中、たくさん質問のLINEもくれて、色々すり合わせをして、初めて1幕を見せてもらった時はもう完璧!ってなってて、その時見ながら書いたダメ書きも8割潤ちゃんあてのものだったくらい(笑)いやはや、あれでだいぶ
安心感が生まれました。みさきちマジ天才だわ…。その分、一気に担うものが増えたのが相手役の伊藤潤だったわけですが、みさきちはそんな潤ちゃんにもいっぱいアドバイスしてくれて本番直前まで少しでも良いものを届けられるように心を尽くしてくれました。
もし少しでも、観てくださった方の中に「伊藤潤やるじゃん」と思って下さった方がいたとしたら、それはみさきちのチカラが大きいです。
いやでも伊藤潤も大変だったなと正直思います。
がんばったなと思います。でももっとできることもあったかなとも思います(笑)かつてないくらいがんばってたのはよく知ってますが、お客様に観て頂く以上、「がんばったから偉い」なんてことは全く意味のないことなので。がんばってようががんばって無かろうがお客様に楽しんで頂けたり感動して頂いてこそ、なので。
この半年間が、彼にとってつらくて悔しくてでも楽しい!と思えるものだったなら、きっと今後の彼にとっての素晴らしい糧になってくれるんじゃないかなと、勝手に思ってます。




 ひとみんも、そんな1幕を背負っての2幕での登場は相当プレッシャーがあったと思います。ゲネで今までないくらいセリフトチってて、かなりテンパってるなと思った記憶が(笑)
本来は、あーゆーシュッとした役は苦手な人なんです(笑)今までもやったことないって言ってたし。当初からなかり苦戦してて、自分でもたくさん研究して、ふだんやらないメイクも演出助手のみさとにいっぱい教えてもらって練習して、なんとか魅力的な“エス”の役ができあがりました。稽古の中で1番最初に観てて感動したのは、ひとみんのU子の芝居でした。いっぱい苦戦してたけど、ひとみんだからできた役だと思います。動き方とか足のサバきはもっと丁寧に教えてあげたかったけど(笑)でも、素敵だった!




2本目の【カルテD】は、配役変更になってから完全に全部つくりかえました!(笑)







それ以前のカタチから変わってないのは、潤ちゃんがGACKTさんで登場することくらいかな?あ、あと、ひとみんが「恋人にも伴侶にも向かない」と言われてダメージ受けるとこくらい。
あとは、本当にぜーんぶ!!つくりかえた!!


ひとみんの衣装も、もううちら2人は私服でいこ!って、完全に私服にしたし、オープニングの水のかけあいっことか、手を握る握らないのとことか、私がベンチに寝そべって本読むのとか、おにぎり食べるのとか(笑)、
2幕もカツラ外すのとか、そのヅラでキャッチボールするのとか、エンディングとか(笑)、
その他の細かいとこも含めて、全部やり直しました。そもそもが変化球バージョンだし、私が出るなら、ってことがたくさんあると思ったので。
色んな方々からアドバイスも遠慮なくバンバンもらいながら、やりたいことややったら面白そうなことをたくさん詰め込みました。どうやったら面白いか、から入って、そこに思いや願いを後から詰め込んでいって。
そう。すげーバカバカしくてふざけたこといっぱいやってましたが、本人たちは至って真面目にやろう!と。私もひとみんも、きっと真面目にやった方が面白いだろうと(笑)ただただ、本気で恋をしようと。ネタっぽいことに、真剣な思いや願いを込めるの、好きなんですよね、私(笑)

そういえば。まだアクトに入ったばっかのなーんもできない今以上のド下手だった頃、「小ネタを真剣に全力で楽しそうにやってる」ってことは先輩や渥美先生に褒められたなぁ…!(笑)そーゆーとこ変わってないみたいです。


だから、真剣に、恋をして、笑って、泣いて、怒って、ドキドキして、照れて、おにぎり食べて(笑)ました。それをお客様が笑ってくれたら本望だと思って。
「恋をしたらみんなバカなんだ!」が【カルテD】のテーマのひとつ。
あとは、【カルテU】の【男】と【女】と【U子】に投げつけてやるつもりで、ってのも考えてた。「お前らのやってることなんて、所詮こーゆーことなんじゃー!だから、シケたツラで恋すんな!しあわせになっちまえ!うちら珍獣カップルだけど超ハッピーだぜー?!」って。



【カルテU】【カルテD】どちらも、恋愛に否定的にはつくりたくなくて。

「きっと誰かにとっては耳が痛くて、
       きっと誰かにとっては応援歌かも。」

そんな風につくりたくて。


だから、お客様からの感想の中に

元気出た!とか、
明日つらいことがあったら『恋愛恐怖病』のこと想い出そう!とか、
そういう言葉があったのが本当に嬉しくて。

ちょっとでも、私がこの作品に込めた想いが観てくださった方々のもとに届いていたら嬉しいです。



なんだか、言いたいこともエピソードもたくさんありすぎて、まとまりがなくなってきたなぁ…(笑)無駄に長くなってる気がする(笑)全然まとまらない(笑)


まぁ、あとは、なんか書き忘れたことあったら個人ブログかtwitterに書きます(笑)




とにかくとにかく!
ご来場くださった皆様、本当に本当にありがとうございました!!
急遽の出演を快諾してくれたみさきちをはじめ、こんな不甲斐ない演出についてきてくれた出演者と演出助手にも頭が上がりません。
最後まで見捨てずに、本番も息子さんを連れて観に来て下さった小西さんにも、感謝がつきません。
応援の言葉をかけてくださったり、twitterでRTやファボしてくださった方々、愛してます!!
色々アドバイスくれたアクトの仲間たちにも、愛と感謝を!
みなさんのお力のおかげで、なんとか『恋愛恐怖病』を上演することができました。本当にありがとうございました。みなさんに、愛と感謝を叫びたい気持ちでいっぱいです。
今回のすべてを糧に、今後も精進して参りますので、どうぞよろしくお願い致します。








あ、あとこれだけ!

明日はアクト青山大処分バザー最終日です!!

12〜20時でやってます!
色んな物がたくさんありますので、どうぞお気軽にいらして下さいませ!