ごぶさたしています。森山です。
つい先ほど長文のブログを書いていたんですが、消えたので超落ち込んでます。
やっぱりこういうのは先にワードとかで作ってから載せるべきですね。くっそ。
そんなわけで、劇団森キリン第８回公演「キープレス」の全日程が終了いたしました。
劇団史上最多のお客様にご来場いただき、大変ありがたく感じております。
評判も今までになく上々で、ときどき絶賛されるし、絶賛よりもちょっと高いぐらいの確率で批判されるし、非常に充実した公演になったと思います。
何より、いままで「よくわからん」という感想が圧倒的に多かったなかで、今回はより多くの人に「おもしろかった」と言ってもらえるようになって、やっと、やっとやりたいことが具体的に実現できるようになったんだな、と、ちょっと安心しています。
というのも、小屋入り直前ぐらいにものすごく自信を喪失していた時期があって、「もう公演中止にした方がいいんじゃないか」ぐらいまで考えていたんですが、劇場に入ってみると「あれ、やっぱ面白いじゃんこれ」と思えるようになり、「あとは全力でやってみんとわからんわ」と思いながら演出していました。
その気持ちが関係者にも伝わったのか、俳優もスタッフも全力で作品づくりに関わってくれたし、すごく高いモチベーションを保持しながら作業が進んでいったし、「これは行ける」と思っていました。
その結果、たくさんのお褒めの言葉をいただけたので、「やっぱり遠くに行くためには、みんなで行かなきゃダメだ」という結論に達した次第です。
そんなこんなで、「この公演終わったら劇作とか演出とかやめよう」ぐらいまで考えていたんですが、まだ僕にもできることが残っている、と感じることができたので、もうちょっとだけ、続けさせてください。
それでは最後に、自信喪失度ハイパーＭＡＸ時に書いた、当日パンフレット用のごあいさつ文を載せて、このブログを締めたいと思います。
本当に本当に、ありがとうございました。
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ごあいさつ
本日は大変お暑い中ご来場いただき、誠にありがとうございます。
蝉時雨が降り、夜が寝苦しくなると「ああ、日本の夏だな」と感じます。
その一方で、数年前までは異常気象とされていたゲリラ豪雨が今や夏の風物詩となりつつあり、「日本の夏も変わったな」とも思います。
あと数年もすれば、災害レベルの局地的豪雨に「今年も夏が来たな」と感じるようになり、
“普通の夕立ち”が思い出せなくなっているかもしれません。
『キープレス』は、忘れられない思い出と、忘れてしまった記憶のお話しです。
原作である『キープ』は、2010年に森キリンの第２回公演として上演されました。
その際も僕が演出していたのですが、改訂上演するにあたり、台本を読み返したり記録
映像を見たりする中で、本当にたくさんの事を忘れていることに気づきました。
もし記憶に魂があるとすれば、当時の記憶たちに僕は相当恨まれていることと思います。
日本の夏は故人の魂が現世に戻ってくる季節でもあります。
皆さまにもこの作品を通して、それぞれの過去の記憶に再会していただければ幸いです。
劇団森キリン主宰・代表 森山貴邦