A・デュマは約30年前に実際にあった事件をベースにして「モンテクリスト伯」を書いた。

実在のモデルは、ピエール・ピコーという靴職人。

エドモンと同じように偽りの密告で投獄され、婚約者を奪われるのも全く同じ。

牢獄の壁を掘り抜き裕福な獄人神父と知り合い、その死後に財産を遺贈されるのも同じ。

フランス帝国崩壊でピコーは釈放され、密告者3人と家族を次々と殺害。

やはり実際の復讐は、情け容赦の無い命のやり取りになったようです。

一方、「モンテクリスト伯」は新聞小説※だったので、復讐物語に徹することが出来なかったと思われます。

  ※Journal des débats (ジュルナル・デ・デバ)紙に連載1844年~1846年

読者によるメルセデスの助命嘆願のような声に忖度せざるを得なかった?

それとも新聞社の一般大衆を意識した商業上の圧力?

作者のデュマが、メルセデスに関する結末部を共同執筆者(ゴーストライター)に丸投げしたという説もあります。

 

 

もし私に丸投げされたらどう描くか?と、不遜にもメルセデスに関する結末部のみを改ざんしてみました。

 

原作では、メルセデスに対して違和感のある異常な温情を示す内容ですが、

 

復讐(死)ではなく、メルセデスの不実に対してきちんと懲罰を与える内容にしてみました。

 

 

関心のある方は、以下の二つのブログを参照ください。

 ①「モンテクリスト伯(A.デュマ)」を読み返して感じた強い違和感~メルセデスに対する温情?制裁?~ (2022.5.23)

 

 

②「モンテクリスト伯(A.デュマ)」 メルセデスの慙愧(独白)(2022.6.27)