婚約披露宴の夜にエドモンが突然連行されていなくなり、死んでしまったと思い込み、自分も怖くなってしかたなく従兄のフェルナンと結婚してしまった私

エドモンとの愛に殉じなかったのがそもそもの過ち

一縷の望みを持って、貧しくもつつましくエドモンの生還を待ち続ければよかったのに。。


エドモンは私を復讐(死)の対象から外してはくれたけど、やはり許してもらえるはずもない

私に対する懲罰は。。息子アルベールの死!。。そしてエドモンのイフ城(牢獄)14年に相当する絶望

アルベールは、エドモンからすれば到底許すことの出来ないフェルナンが(卑劣な手段で)私を奪って生した子なので、その存在すら許せるはずがない

フェルナンが誅殺されるのは当然。。。その悪行と私の不実を示す生きた証しのアルベールも抹殺(決闘死)されるのは必定だったが。。


息子を救いたい一心で、三人に関わる全ての秘密を打ち明けて、アルベールを必死に諭してエドモンに謝罪(決闘の撤回=不名誉なこと)をさせたことで辛うじて死を免れた


真実を知ったアルベールは(父親の数々の悪行を恥じて)モルセールの爵位を棄てて母方の姓を名乗り、帰還出来ない(戦死する)かもしれないアルジェリアのフランス軍に一兵卒として旅立った

名誉も家族も全て失った卑怯者のフェルナンは、決闘をする気概もなくいとも簡単に自殺した


一方の私は、ようやく誰にも邪魔されずにエドモンと相まみえることが出来たのに、昔なじみ程度のよそよそしい会話どまり。。

文無しになった私はダンテス父の元の家に住まわされ、僅かな生活費をエドモンから与えられた囲い女のような存在だけど

20年以上もフェルナンに塗れた私の心身を受け止めることなどあろうはずもなく、エドモンは置き去り(懲罰)をしに来ただけ

せめて一度だけでも・・の抱擁すらなく。。空しく(何処へともなく)去って行った


私が掘ってしまった深く長い溝を、今更の気持ちだけで埋めることは到底不可能なのは分かっているけれど。。

しょせん元には戻れない。。。後悔と絶望。。。。。エドモン エドモン!