ぐにゃり。
線が曲がった。
んんああaaaaー。 あーもうやだ今日はもうおわり。
筆ペンのキャップをはめてペンを筆立てに戻す。
自由帳は本棚の一番左端へしまう。
えっと
字を書いていました。
頭に浮かんできた漢字とかをひたすら紙に書く。ただそれだけ。
飽きたら終わり
これ一応、自分の趣味
ということにしている。
改めまして、字を書くことがtranquilizer、アズです。
心が落ち着かないとき字を書くと、いくぶんか気分が休まるんですよね。
嗚呼現代社会。
毎日の人とのコミュニケーションで傷ついたり、逆に傷つけてしまったり。
バ先の飲食店でポカをやらかしてしまったり。至る所で無能ムーブをかましている。
堺雅人ならば、こういうときもビッグマックを食べるのだろうが、あいにく、私はそんな大胃袋は持ち合わせていない。
代わりに、私は字を書く。ほとんど写経魔に近い。
日本や中国の詩歌を写経したりとか。はたまた好きなアーティストの曲の歌詞を写すこともある。「つれづれなるままに」
それに、最近は日本の習字のほかにもアルファベットのカリグラフィとかアラビア書道とかタイ・カリグラフィー、クメール・カリグラフィー、ハングル・カリグラフィー、モンゴル・カリグラフィーとかにも興味を持っている。
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ま 私が書く字なんてものは、とうてい「書道」なんていえたものじゃあないが、やっぱり、プロの人が書いた字や、たといプロでなくとも何か相当な思いを持って書いた字というのには心を動かされることがある。時には涙することもある。
文字は、人の諸感情を表現できるだけではなく、各人の教養の高さだったり思想信仰がもれなくにじみ出るように思う。
例えば、威勢よく書かれた「虎」という字があればそこから虎の雄叫びや地ならしが聞こえてきそうだ、とか。クメール・カリグラフィ（カンボジア語の書道）で、真上に延びる線が特に強調されているのは、天上界、涅槃へ上る仏塔をイメージしてるのかな、とか。
鑑賞の仕方も自由なのが書の親しみやすいところですね❕
それから、美しい文字というのは調和が取れていて、洗練されている。日本の書道で言えば、「とめ」や「はらい」のひとつひとつがその字を際立たせるのにおのおの必要な仕事をしていて、字全体で絶妙な釣り合いが保たれている。
↑これすき
こういったこと、演劇でもあるのかもしれない。
「とめ」みたいな人がいて、「はらい」みたいな人もいて、「はね」みたいな人や「点」みたいな人がいる。アルファベットみたいな人も、アラビア書道みたいな人も、ハングル・カリグラフィーみたいな人もいるかもしれない。それぞれに違った魅力がある。
だけど、「とめ」だけで字は成り立たない。「はらい」だけでも、「はね」だけでも字はバランスを取れない。
しかし反対に、とめやはね、はらいがバランスを取り、調和した字はどうだろうか。
紙の上で、舞台の上で「とめ」てくれるやつがいて、「はら」ってくれるやつがいて、そして「はね」てくれる奴もいたら、字が出来上がる。おもしろい字ができあがる。単調だった文字に奥行きが生まれ、剛柔あわせもつ、見ごたえのある字を書くことができる。
私は、ダダンはそういう場所だと心得ている。
人の豊かさがダダンの魅力だと考えている。
そして周りの人のおかげさまで、私はダダンにいる。
さいごに、墨で書いた文字は消しゴムで消えないように、もしくは、同じ手書きの文字はこの世に2つと存在しないように、舞台も始まったら、一度っきり。やり直しはきかない。
でもどんな文字が書けるかは、やってみないとわからない。そのドキドキが好きで、すでに１年、ダダンに居させてもらっている。
私も願わくば、舞台という紙の上のかたすみで、ダダンの書を彩るひとつでありたい。
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ここまで読んでくださった皆様も、ここまでscrollしてくださった皆様も、お読みいただきありがとうございました。
と、ここで！ 宣伝time ィェァ！
今月下旬、2023年度劇団ダダン新歓公演「銀河のかたすみで」上演‼
劇団ダダン 新歓公演
「銀河のかたすみで」
4/24（月）
4/25（火）
開場 18：15～
上演 18：30～
＠プロメテウスホール
ご来場、お待ちしております！
