どうも、劇団ダダン⚪年目の上善如水です。
このサークルに入って早数年。先輩たちは社会で活躍し、同期も就職の道へ。一方私は、芸能界に片足の小指の爪先を突っ込むなどしております。親不孝とはこのことか。

まずは2019年度本公演を終えた所感を。

演技って結局何なのでしょう。もちろん、ド素人の自分には分かるはずもないですが、舞台を生業にしている恩師も「畢竟分からない」と言っていました。ただ、分からないなりに考えることが出来るのが、人間という生物の特権であります。

これを読んでる皆さんも経験があるのではないでしょうか?
たとえば、バイトやお仕事中の1店員としての自分。普段のご自身とはかけ離れた存在なのではないでしょうか。言葉遣いや表情、声色など、己の身体を普段とはまるで違う規定(コード、プログラム等々)の下で動かしていると思います。

『この世は舞台、人はみな役者だ』シェイクスピアの戯曲「As You Like it(お気に召すまま)」の有名な一節です。
この記事を書く私も、上善如水という人間を演じる”何者か”であります。
では、その”何者か”。誰にでもあるコレについて考えたこと、皆様おありでしょうか?
役者をやる醍醐味は、とどのつまりここにあるのではないかと私は考えます。
自分という人間の原動力=核となるモノ(あるいは””)について、深い思索を巡らせることができる点です。自らの魂について考えなければ、他の存在との距離感をつかむことは叶わないでしょう。
距離感の把握というのは非常に重要です。「多文化共生だ!」「多様性を認めあおう」などと今日騒がれていますが、そのためにはまず「違い」を認識しなければなりません。
違いが分からないと、人間は自らが持つ文化基盤、あるいは価値観に基づいてしか行動出来ませんので。

そして、それは役者にとっては致命的とも言えます。
例えば私が演じたユキオ。彼には彼なりの声や身体の使い方、そして彼だけの境遇があり、それは私が持つモノとは違うはずです。しかし、その差異を認識しないまま演じようとすれば、たちまち上善如水が透けて見えてしまい、それは本来のユキオとは性質を異にするものとなります。
そして、その差異を認識するために必要なのは、役を注意深く観察・分析することに尽きると思います。今回のユキオも、登場時間こそ少なかれど立派な1機構でありました。脚本の歯車の一つであることには違いないので、できる限り注力したつもりです。

なぜこんな、演技する人間にとっては分かり切って当然とも言われそうな初歩的なことをつらつら書いているかというと、一つは自分のためであり、もうひとつは皆さんの気づきになればと思ってのことであります。

私は大学と並行しながら役者として研鑽を積んでいる身です。今回の公演で改めて、上に述べたような役者としての肝に気づいたことを喜びつつ、備忘録としてここに残したい次第です。

そして、他者との違いの認識・そのための観察。これは人間が生きていくうえで大事なことではないでしょうか。これを皆さんに今一度思い起こしてほしかったのです。いつも顔を見合わせている相手でも、日々、あるいは瞬間瞬間そのコンディションや心情は変化します。それを完璧に理解するなんてことは、お互いが人間である限り不可能でありますが、多少なりとも察することはできると思います。慣れた相手だからと気を抜いたり、ましてや軽んじたりなんてこと、してしまってはいないでしょうか。私自身も思い返せば耳が痛い話ではありますが、どうか皆さんもこのことを胸にとどめてほしいなと思います。

小難しいことを書いた気がしますが、結局大事なのは……愛、ですよッ!

さて、ここからはリレー投稿恒例のキャスト陣への愛の告白ですか。
ご興味のある方は歩を進めてくださいませ。内輪ノリが多分に含まれますので、そこはいいかな…という方は、期待の1年生ハリーくんによる次回の投稿をお待ちください。

それではごきげんよう。

●ぴっぴ
つかみどころねぇなぁ君なぁ!いやー、いいよ。そのキャラ大事にしていこうな。
演技についても、だいぶ注文つけたりした気がするけど、一生懸命なんとかしようとしているところとかすっごくよかったです。滑舌とか発声のときに息が混じるの、俺も今でも苦労してるし一緒に頑張ろうな。
●ごろり
くりくりした子が来たなと思ったら、舞台上での力強さには息を呑みました。あと稽古場での真剣な眼差しが魅力的でした。と思いきやブログでのキャラ最高だな、なんだこれ。ビビとの年季の入った絡み好きだからもっとして。尊い。
●シャネル
あ、姉御(HAKATA)!お疲れ様です。稽古場でもオフの時でも、演技に対してかなりの熱量を持ってくれていることをヒシヒシと感じます。飲みすぎとか体調管理にだけ気を付けてな。三鷹武蔵家へのご来店お待ちしております。
●ハリー
急遽参戦してもらうことになり、感謝と申し訳なさでいっぱいです。出演時間の短さに対してキャラが濃くて笑いましたわ。稽古場でもいいムードメーカーですね。私へのメッセージカードに一言「塩こんぶ」とだけ書いて寄越したそのセンス、どんどんペカらしていけ~。
●りーしか
初の演出、お疲れ様でした。不安やらなんやら、その胸中にあった思いについて、思いを馳せずにはいられません。ですが、この公演をやり切った事実だけは何人たりとも変えられません。立派な足跡であります。自信を持ってください。公演名にふさわしい、美しい舞台でした。
ただし、嫁を大事に思う気持ち、愛は私こそ団内1であり、それ以前に嫁は私という人間がいて嫁になるのであって、嫁は私のです。これも厳然たる事実です。これだけははっきりと真実を伝えたかった(迫真)。