"日常はエチュードだ"
とある同期が言うのを聞いて、内心、そんなこと言っちゃってと思いながら適当に相づち打ってたんですが、あながち的外れでもないお言葉だなと思い始めたんですね。
エチュードというのは即興劇のことで、公演に向けた稽古の合間だったりにやってるんですけど、いろんな種類があって結構深いんですよ。
何故日常がエチュードか。
このお言葉を生み出したお方の意図(言っていた…と思うけど半分くらい聞き流した)とは違うかも知れないのですが、自分が話す時いろいろ考えながら話しますよね、"どうしたら相手にちゃんと伝わるか…""ここで笑いをとりたい…"とかなんとか。相手も(恐らく)言葉や様子から意図を理解し、それに対するリアクションを返すでしょう。役者は舞台上で同じように台詞を計算しながら発し、相手の台詞に対するリアクションを計算して返します。
舞台上の営みのピースは普段何気なく交わす会話や、動作など日常の中に散らばっていると感じます。
本来の自分なら言わない台詞を共感できないと思うような態度を表現するには潜在的に積み重ねて来た日常の体験が手がかりになっているのだと思います。
身近な人や、偶然見かけた面白い人の表情を見落としてはいけないような気がします。作為的でないものの中にヒントがあるんですよね。演劇を通して日常の大切さに少し気付いたような気がします。

少しでも演劇の世界に興味をお持ちでしたら是非足を運んでください。

ロシア科新2年/佐藤里南(チス)