失礼致します!!!東京外国語大学国際社会学部国際社会学科4年、池田圭と申します!!!本日は宜しくお願い致します!!!!!私が御社を志望しました理由は!!!!!私が御社を志望しました理由は!!!!!私が...御社を.......志望しました........理由は...........


ハァ.................


ハッ!!!!!!!!


すみません、PCに向かうとつい就活のことで頭が...

申し遅れました、こんばんは。劇団ダダン新4回生のホイと申します。

まずは自己PR...いや自己紹介を。

本名: 池田 圭
ダダンネーム: ホイ(ホイホイ)
語科: 英語
出身: 広島

僕の情報について面白いところは氏名が回文なところのみです。


新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
僕もついこの前入学した筈なんですが、気が付くともう就活の時期になっていました。

ハァ就活...僕は自分が何になりたいのか分からなくなってきた...僕はもう、岬の灯台の灯りを灯すおじさんとして一生を過ごしたいな...私は御社での岬の灯台の灯りを灯すおじさんとしてのキャリアを全うしたいと考えております...

灯台...良いですよね...灯台にはそれはそれは大きな電球とフレネルレンズがあって、それを灯して海の向こうに光を照射するのです...大きな電球とフレネルレンズ...夢がある...


ハッ!!!!!!!!


フレネルレンズで思い出しましたが、ダダンでの僕の役職は照明です。

照明って何をするんですか?

光の力は物凄いです。なんせ、太陽の光がある時間を人は昼と呼んで活動し、太陽の光がない時間を人は夜と呼んで活動を止める程です。この世は色に溢れています。しかしその色の正体は光です。光源がないと我々は色を認識することすらできません。生き物に目があるのは光があるからです。光が届かない場所に住んでいる生き物にはほとんど目がありません。光はそのくらい僕たちの生活と深く結びついています。

 
その光の力を借りて、現実の世界の中に虚構の空間を立ち上げるのが、照明の仕事です。それは、真っ暗な箱に光を当てる、それだけのことです。ですが、その光によって、そこではない場所を立ち上げたり、そこにはない時間を呼び起こしたり、その場の空気を変えてみたり、観客の視線を誘導してみたり、本当に沢山のことができるのです。
 
部屋の明かりを白い蛍光灯から白熱灯の関節照明に変えるだけで、随分と雰囲気が変わりますよね。空間をデザインする手助けをする、その場に居合わせた人たちの想像力を使ってそこに無いはずの空間を立ち上げる、その手助けをする、これが照明の仕事です。

僕は、光もまた、生身の身体を持たないだけで、人間と同じ役者だと考えています。舞台の上では、光は名脇役なのです。


とか何とか申しますが、別に動機は何だって良いのです。光が冬には温かいからとか、照明という字に四角がいっぱいあってかわいいからとか、照英に似ているからとか、そういうのでも良いのです。僕は入部当時照明の人数が足りず強権力によって照明に配属されました。

演劇を始める動機だって何だって良いのです。僕は映画がきっかけで演技に興味を持ちましたが何かを間違えて演劇サークルに入りました。

それでも、気付けば演劇のことばかりを考えるようになり、気付けばもう3年も経っていました。それほどの魅力が演劇にはあります。


演劇は集団創作です。価値観の全く違う人間たちが集まって、一つの作品を作る、それは大変なことです。常に想像を超えることが起きます。事件です。

僕は、そこに一番の快感を覚えました。価値観の違う相手と折衝するのは骨が折れることです。精神もすり減ります。それでも僕はそこに快感を覚えます。それは僕が真性のマゾだからとかではなく、「良い作品を作る」という目的のもとに人と人が互いの意見をぶつけ合うとき、その相手がどういう人間か、見えてくるからです。僕は人間を見ることが好きなので、これほど豊かな時間があるだろうかと思います。

そして演劇が行き着くのは、作り手と観客という、価値観の違う人間どうしの折衝です。

演劇の楽しさは、価値観の違う相手に出会った瞬間にこそあると僕は思います。ボーイミーツガールです。エイリアンVSプレデターです。


と、こういう具合に、僕はダラダラと3年間演劇について考えていました。これは、演出、役者、照明、どの立場にいても感じることのできる楽しさです。

演出や役者も楽しいですよ。この楽しさは他の人が説明して下さると思うので、僕は照明と演劇そのものの面白さについて思うことを書いてみました。


長い文章になってしまいましたが、新入生の皆さんが、演劇の、どこでもいい、どこか切れっ端にでも、興味を持って下さると良いなと思います。

皆さんの学生生活が、良いものになることを願って。


以上、ホイでした。ダダンで会いましょう。