「非常事態宣言」の叩き売り | ローリング・ストーンズ野郎の雑記
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家人が帰省中なので「いつまでも病人気取りしてんじゃないよ」などと言う人もいないし、13日からの体力温存と称して昼下がりまでゴロゴロしていたら、タイフルーツさんや姉からの電話で、「バンコクおよび首都圏に非常事態宣言」を知りました。

「こういうことが度重なるとタイのイメージが悪くなる。タイはそんなに危険な国じゃない」

とおまじないのように繰りかえすだけの、タイの屋台メシを召し上がって「ああ、タイ大好き!」とか言ってるカタガタと比べるのは失礼なのだけれど、公私を通してタイの甘いも辛いも知ってるタイフルーツさんが電話をかけてくるほどなのだから、

「よっぽどのことなんだろうな」

とテレビをつけてみると、僕が財布を忘れたショッピングモール前の光景(写真)が映し出されていた。
タクシン信者らは、今のところは張子のトラ状態の装甲車を捕まえて、実に楽しそうな笑顔を見せていました。
しかし、テレビ各局が、非常事態を宣言しているアピシット首相(写真下)の映像を繰り返し繰り返し放送しているのは、

「いつ排除されても、不思議ではありませんよ」

という警告なのだろうか。
赤備えの連中が本当のゴミではないことはガイジンの僕ですらも知っていることなのだけれど、今回の首都圏非常事態宣言がどのようなかたちで解除されるのかが、気にかかるところです。

四十四歳のタイの総理大臣はたしかにお坊ちゃま育ちだけれど、言ってることにはスジが通ってる。
どこかのテキトーなお孫さん政治屋だったら「首相辞任」という最もイージーな選択肢もあったのに、国を守るために一部の武装暴徒化した自国民に対して武力行使をここまで明言した(させられた)タイの首相は今までいなかったのではあるまいか。

アピシット首相のような原理原則にこだわる人が政治の頭に立って、その下で華人ファミリーが国家経済を舵とって、軍人が外から擁護して、国王陛下がバランスを保つ。

というのが、近代タイの理想の構造だったと思うのですが、「新世紀のタイ」という耳ざわりの良い麗句のもと、国家と私企業の区別すらもつかなくなったタクシンは、やはり稀代の俗物でしかなかったんでしょうかね。

バンコクに非常事態宣言 タクシン派デモ隊が内務省に乱入 (「CNN」4月12日)
バンコクに非常事態宣言=国軍部隊出動、緊張高まる-タイ (「時事通信」4月12日)
元首相が再びデモ隊を扇動 (「バンコク週報」4月12日)
ほか数カ国語で無数。
写真は「ロイター」。

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