レジナルド・ジョンストン著「紫禁城の黄昏」の完訳版上下二冊。
1930年代の著作が、映画「ラスト・エンペラー」人気に乗じて岩波文庫から刊行されたこともありますが、その旧訳版はなかば意図的に未訳の部分が多かった。
原題は「Twilight of Forbidden City」。
未訳の部分が翻訳されたからといって過去の歴史が覆るわけでもないけれど、読み捨てノベルス出版社のイメージが強かった祥伝社としてはおどろきのお仕事だと思います。
ジョンストンとは少年時代の愛新覚羅溥儀のスコットランド人家庭教師。
親日派としても知られていたジョンストンは、身びいき気的にも満州国の繁栄にほのかな期待をよせながら昭和13年に他界しているので、日本の敗戦と満州国の崩壊を目にすることはなかった。
映画「ラスト・エンペラー」では名優ピーター・オトゥール(写真)がジョンストンを演じ、青年皇帝が宮廷内の悪しき風習を打破するなど、精神的成長を手助けする象徴として描かれていました。


