タイの国政がガタガタしまくっている最中なのでバンコク首長選は延期になるのでわ、といった観測もありますが、街角には知事選立候補者のカンバンが立ち始めました。
立候補表明一番乗りは写真のヒト。
ふぃんきら氏イチオシのチューウィット・ガモンヴィシット
先生、47歳。
予想される対立候補は警察官殺害容疑が無実になった政治屋二世など、ロクなのがいないようですから、ひょっとしたらひょっとするかも知れません。
夜の世界の顔役
として有名な御仁ですが、「顔役」といっても普通の人よりもソープランドを多く経営していたり、サッカー賭博などの違法社会の裏側を普通の人よりも詳しく知っているというだけで、絵に描いたような凶暴性はない。
風俗産業グループ傘下の一般ホテル内の喫茶店によく腰掛けています。
四年前のバンコク知事選に立候補して、落選ながらも投票獲得数は第三位。
その後、国政に転じ、首相経験者が組織する小政党の副党首に迎えられたものの、先の下院選挙直後
の元首相の優柔不断ぶりを怒鳴り散らすだけ怒鳴り散らして、副党首を辞任し離党。
あえて日本の政治家に喩えるとハマコー先生みたいな立場にありますが、チューウィット先生も「自分がどう振る舞えば世間は喜ぶのか」を心得ているので、大衆人気
も抜群に高い。
2006年大晦日のバンコク無差別連続爆破事件
の時は逸早く爆破現場に駆けつけ、テレビカメラの前で、
「無差別テロは民衆の敵である!こうした無法者の挑戦に我々は立ち向かっていかなくてはならない!」
などと熱弁をふるっていた背後で第二次爆発が起きてしまい、次の瞬間にはチューウィット氏の姿がテレビ画面から消えていた、というエピソードもある。
もっとも、ヤバイ場面では一目散に離脱できるほど、危機管理能力には長けているのかも知れない。
ちなみにバンコク知事は選挙制ですが、ほかの75県の首長は上級公務員の任命制。
このあたりもまた、タイの民主主義は、欧米諸国が一般定義する民主主義とはちょっと違ったところにあるようです。