公開前後に振って沸いたように、主演の二枚目俳優(←も死語)草刈正雄の覚醒剤疑惑騒動が持ち上がり、当の草刈は顔を真っ赤にして否定していた。
そして、後年、覚醒剤で捕まったのは草刈ではなく映画制作者であったことは、多くの人々が知るところですが。

「汚れた英雄」は1982年暮れに公開された角川映画。
田舎のバイク少年だった従兄弟といっしょに僕は映画館に赴いた。
原作は大藪春彦。
文庫本、たしか4冊の一大長編。
大藪小説の主人公はアウトローが多いけれど、「汚れた」は二輪レーサーを主人公にしたハードボイルド。
草刈の起用は北野晶夫のイメージに近く、また、奥田瑛二、僕の郷里の美人脇役女優中島ゆたか、当時はすでにスネークショーで知名度を広めていた伊武雅刀も出演。
伊武の声は今と変わっていないけれど、容貌は今が今なだけに笑ってしまうぐらい、若いです。
主題歌はローズマリー・バトラー「ライディン・ハイ」。
一発屋、二発屋というよりも、リンリンランラン、チャダ的にヘンなガイジン歌手の印象しかないのだけれど、「ライディン・ハ~イ」のサビの部分で82~83年の出来事を何かと思い出させてくれるあたりは、メディアミックス角川商法の「陽」「功」の部分かも知れません。
◆ローズマリー・バトラー「汚れた英雄」収録アルバム
角川映画スペシャル
1985年7月発表
■収録曲
01. 人間の証明のテーマ/ジョー山中
02. 戦士の休息/町田義人
03. 蘇える金狼のテーマ/前野曜子
04. 戦国自衛隊のテーマ/松村とおる
05. セーラー服と機関銃/薬師丸ひろ子
06. 汚れた英雄/ローズマリー・バトラー
07. 探偵物語/薬師丸ひろ子
08. 時をかける少女/原田知世
09. 里見八犬伝/ジョン・オバニオン
10. メイン・テーマ/薬師丸ひろ子
11. 愛情物語/原田知世
12. Woman「Wの悲劇」より/薬師丸ひろ子
※DVD

角川エンタテインメント
汚れた英雄