端役ながら、ジョン・マルコヴィッチの飄々とした演技が印象に残っている。
1984年制作。
オーストラリアでの劇場公開は1985年。
1970年代の、ベトナム戦争と少なからず連動したカンボジア動乱と、その後の恐怖政治下のカンボジア社会を描いた映画。
の観点で見ていた時は、ラストに流れるジョン・レノンの「イマジン」の使い方には異議大アリだった。
ジョンが好きな人たちにはなおさら「またかよ...」的な安直さがある。
劇中、傍若無人に市街地を走り回るジープのラジオからは、ポール・マッカートニーの「バンド・オン・ザ・ラン」。
でも、アメリカ人新聞記者と死地を生き延びたカンボジア人助手の「友情物語」と観点を変えれば、「イマジン」の違和感も弱くなった。
ズブの映画素人ながら助手役を演じ、映画賞も受賞したカンボジア人医師が、その後、アメリカの自宅で不幸な死をとげるなどして、再び、この映画の暗い部分がクローズアップされたこともある。
05年7月、僕がほぼ10年ぶりに訪問したプノンペンの国営デパートでは、カンボジア国内ライセンス版があるものなのか、「キリング・フィールド」のDVDが平積みになっていた。
それは、自国の暗黒時代を忘れないがためにカンボジア人が買いに買いまくっているのか、それともまた、誰も買おうとしないのか、とにかく「キリングフィールド」が大量に陳列されていた。
10年も経てば街の空気が変わるのも当然なのだろうけど、人々の表情の変化も豊かになっていました。

ジョン・レノン「イマジン」@ユーチューブ 。

ポール・マッカートニー&ウイングス「バンド・オン・ザ・ラン」@ユーチューブ 。