昨今の日本でも飲酒泥酔による凶悪な交通事故が増加していますが、タイではアルコール類の広告規制が本格的に始まる様子。
ソレがどんなものかと云いますと、ちょっと長くなりますが、
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■酒類広告が全面禁止に、12月5日より実施見通し(「バンコク週報」 2006年10月18日)
保健省食品・医薬品委員会は17日、アルコール飲料の広告を全面禁止とする通達を正式に発表した。
この通達により、テレビ、ラジオ、印刷物、屋外看板、ウエブサイトにおけるアルコール飲料の広告は終日禁止されることになった。発効は12月5日となる見通しだ。
ただ、
(1)販売・配布以外の目的で外国からタイ国内持ち込まれた書籍に掲載されているアルコール飲料の広告
(2)海外から配信される生中継のスポーツ・ニュース番組で映し出されるロゴおよびアルコール飲料商品
は規制の対象外となる。
◆メーカーの違法広告が急増
タイ人の年間飲酒量であるが、2003年に23億700万リットルであったものが、05年には24億4600万バーツに急上昇。
このため、アルコール中毒と肝硬変の患者が増加することになった。
また、昨年の交通事故による負傷者94万1880人(保健省発表)のうち40%近くが飲酒をしていたことも判明している。
さらに、政府が特に危惧しているのが、15歳から24歳までの飲酒人口が01年の21・6%から、03年には23・5%に上昇するなど、若者の飲酒が増えている点だ。
01年7月29日の閣議では、
(1)午前5時から午後10時までの17時間、テレビ・ラジオでアルコール飲料CMを放映すること
(2)国内スポーツ番組で商品やメーカーのロゴを映し出すこと
などを禁止。
また、03年からは、18歳未満の若者への販売が禁止されたが、それでも若者の飲酒人口は増える一方だった。
保健省はその理由のひとつとして、アルコール飲料メーカーの「違法行為」を指摘する。
CMが禁止されている午後4時から午後10時の間に放映されたテレビ番組で、同省が「違法広告」と判断した映像は、昨年8月に126件だったものが、今年4月には237件と、126%の急増。
パターンとしては、スポーツ番組、ドキュメンタリー番組、報道特集などでアルコール飲料メーカーのロゴを映し出すというものが多かったようだ。
このため、保健省では特別委員会を設置して、これらの違法行為を厳しく取り締まっていく方針だ。
◆閣議、保健省法案再検討で合意
保健省は17日の閣議に、アルコール飲料規制法案を閣議に提出し、承認を求めた。
しかし、「趣旨は賛同できるが、一部運用が難しい点がある」として、保健省、教育省、商業省、工業省の代表などからなる委員会を設置し、実施細目を煮詰めることで合意。委員長にはコシット副首相兼工業相が任命された。
同法案の骨子は、
(1)健康警告表示の印刷
(2)禁酒エリアの設定
(3)販売日・販売時間の規制
(4)25歳未満の若者への販売禁止
(5)泥酔者への販売禁止
(6)自販機販売の禁止
(7)行商売りの禁止
(8)値引き、景品として配布することの禁止
(9)アルコール飲料メーカーのロゴを清涼飲料水など別の商品に使用することの禁止
などだ。
違反者は1年以下の禁固、10万バーツ以下の罰金、もしくはその両方が科せられる。
このうち、今回の閣議では、25歳未満の若者への販売禁止をどのように実施するかが、論議の中心となったようだ。
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コンビニなどで、教育はあっても教養がなさそうな社会層が代金支払い直後にいきなりレジ前で飲み始める低価格ビールも、各種スポーツ・芸能イベントの冠スポンサーや高額雑誌の主要広告を務める世界的に有名なビールも、平等に広告規制。
ちなみに、タイではブラウンボトルは低価格ビール視されるので、タイで販売されているアサヒビールはハイネケンのようにグリーンボトルです。
かつては王室慶事の祝日でも、夜8時になれば、歓楽街でも一斉に国王陛下の誕生日を祝ったものですが、今では王室慶事、仏教関連の祝日は、風俗産業店は軒並み休業。
が、それでも、看板を消して、常連サンたちには中で酒を飲ませる店もしっかり存在している。
もっとも、今回の広告規制は「禁酒強化」「販売全面禁止」ではないし、何の罪もないビアガール(写真)はブランドロゴは消えてもシブトク生存していくでしょうね。