俳優の田村高廣さんが先週、脳梗塞で亡くなられた。
77歳にして今なお第一線で活躍していただけに、この訃報には驚いた。
1980年公開の東映映画「動乱」は、高倉健と吉永小百合の初共演。
内容的には、五一五事件からニニ六事件の頃の、ニッポンの青年像を描いた映画。
公開当時においても、「テロ美化崇拝反対!」の声もあったのだから、リメイクは難しいだろうけど、ちかく、DVDが再発されます。
この映画の中で、故・田村高廣は神崎中佐を演じている。
この神崎中佐というのは、どう考察しても、白昼堂々、陸軍省内で永田鉄山を斬殺した相澤三郎なのだけれど、無言のまま日本刀を振り下ろすシーンは、やたらと鬼気迫るものがあった。
「八つ墓村」 の山崎努以上の恐さだった。
故人を偲ぶ声によると、田村高廣さんは、若い時分から立派な方だったようだ。
そういう人柄だったからこそ、問答無用の軍人役などを演ても、天下一品の役者さんだったのかも知れませんね。