2006年のローリング・ストーンズをまだ肉眼で目撃していない僕がエラそうに語るのはナンですが、今回の来日公演には「前座」が同行しているのも、話題のひとつ。
欧米での公演に前座がつくのは一般的。
ツアー発表記者会見の時には、毎回、記者団から「前座は誰か?」という質問が出るほど。
ボン・ジョヴィやガンズン・ローゼズを、ストーンズと同じ晩に観れる欧米の観客をうらやましいと思った。
「刺青の男」ツアーでは、プリンスが前座をつとめたこともある。
そのころは、日本ではまだ無名にちかい存在だったので、僕もプリンスを知らなかった。
当時はまだティーバックという言葉はなかったと思いますが、奇抜な下着姿でステージに登場。
ストーンズの演奏を今や遅しと待ち構えていた観客から凄まじい罵詈雑言のブーイングを浴びた、ということを雑誌で読んだ。
「キミたちは、プリンスのすごさを知らない」
とミックがプリンスをフォローしたようなことは、山川健一氏のエッセイか何かで読んだ記憶がありますが、プリンスがヒット作を連発し、メジャーな存在にノシ上がるのは、ティーバック前座から一年後のアルバム「1999」から。
何度もいうようですが、「Little Red Corved」は素晴らしい。
音楽業界人のあいだで、レニー・クラビッツをつかまえて、「黒いジョン・レノン」と呼んでいた時期がありましたが、そのノリでいけば、プリンスは「黒いミック・ジャガー」。
あの、独特のファルセット歌唱に、正体不明の腰のうねり。
おまけに、カメラの前で平気で裸になってしまう時もある。
もちろん、プリンスはプリンスであって、黒いミック・ジャガーなどではないけれど。
プリンスとストーンズの交友は地道に続いているらしく、スモールクラブでロン・ウッドと「MISS YOU」を演奏したこともあるのだとか。
発表されたばかりのプリンスの2006年作。
僕は発売前に注文していたのに、愚かにも配送先を日本の実家にしていたことに気がつかなかった。
早く聴きたい。