■動と童 | 藝蘭の部屋

■動と童



今からひと月前のこと、

■筆文字クリエイター・宇鸞さんの難読クイズで、
私は金文作品を「童天」と回答したところ、残念ながら不正解でした。

正解は「動天」

「勢いが盛んなこと」というヒントが有ったけれど、確認をおろそかにしたため、
失敗してしまいました。(^0^;

金文の時代では「童」を「動」の意味で使っていたのだとか・・・、

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(金文編より)


白川静著「常用字解」によれば、確かに【動】のもとの字は【童】であるとありました。
のちの小篆では、音符の「重」と意符の「力」の組み合わせになっています。

漢字は一般に表意文字であると言われていますが、同時に表音文字としての機能も持ち、
漢字が成立してまもない古代では、存在しない字を新たに作る場合のほかに、
便宜的に同音の字で代用していたようです。

例えば金文の「伯」には同音の「白」の字が用いられていて、
その後、文意を正確に伝えるために人偏の意符が加えられて「伯」となり、
同じように「泊・拍・舶・柏・迫」などの字も順次生まれたものかと思います。

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ところで、漢字の同音というのは非常に分かり難く、
日本で同音だとしても、中国では同音ではない場合があったりします。

はたして、「童」と「動」は同音なのでしょうか・・・、
ピンイン(拼音=中国語の発音をラテン文字表記したもの)を調べてみると。

動[dòng] 童[tóng] 重[zhòng]または[chóng] 東[dōng]

いずれも微妙に異なるので、何をもって同音と扱えるのか全く解りません。

ちなみに、重の発音が2種あるのは、
重いの意味は[zhòng]で、重ねるの意味では[chóng]と発音するみたいです。

※拼音資料等は【漢典】より


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