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観音寺(かんおんじ)
iii
崇徳天皇「次に、人数に物を言わせた、有無を言わさぬ強硬手段」
「鳥羽天皇崩御からわずか6日後、藤原頼長が屋敷を留守にしている間、後白河天皇の勅命で、源義朝の兵がその屋敷を押収した。私と頼長は側近の武士たちを集めて、白河北殿に立てこもるしかなくなった。
そこへ義朝と平清盛が夜襲をかけてきた。源為義や為朝らが奮戦したが、多勢に無勢で我々は敗れた。
白河北殿は炎上し、藤原頼長は気の毒にも、首に受けた矢傷が原因で、逃亡中に死んでしまった」
銀河総裁「うー、香川県議会の条例可決までの審議過程も、県強付会が県議会での数の力を使うて、民主主義の議会では通常ありえん手段で展開したんじゃ。
数の力と言うてものう、県議会で半数近くを占める県強付会の議員のうち、実に72パーセントが、無投票で当選してるいうことを忘れたらいかん」
「あー、この条例に関する検討委員会は、非公開で行なわれ、市民が傍聴できんかったんじゃ。その上、議事録も作られんかったが。
非公開じゃったけん、そこに招く専門家を決める際、極めて偏った人選が行なわれたことも公にされんかった」
「うー、あのパブリックコメントは、結局、条例が可決成立するまで公開されんかった。賛成意見の水増しが明らかだったからじゃの。
検討委員会の委員にも、パブリックコメントそのものではなく、事務局がまとめた80ページ弱の資料だけしか公開されんかった。
その資料さえ、検討委員たちに公開されたのは、なんと委員会で採決が行なわれる当日じゃ! 条例を審議する議員たちに、考える時間は与えられんかった」
「あー、条例自体が数々の問題点を指摘された上に、パブリックコメントの内容が検討委員にさえ明かされん。公開された資料も問題だらけじゃった。
じゃが、県強付会の議員から『賛成多数だから、もう採決してはどうか』という声が上がったのを機に、委員会での審議はたった20分で強引に打ち切られた。
そして、県強付会の議長による強行採決によって、条例は本会議に送られ、翌週の本会議でもさしたる審議がないまま可決成立した」
崇徳天皇「まさに、源義朝が藤原頼長の屋敷を強制的に接収したのと変わらない、不条理にして理不尽な措置だった」
iv
崇徳天皇「そして、彼らの野望が達成された後の、異常かつ苛烈な処遇」
「そもそも私が讃岐に流されたこと自体、淳仁天皇以来392年ぶりとなる天皇・上皇の配流だった」
「しかし我々に味方した武士たちへの処遇はもっと酷かった。源為義、平忠正と、彼らの息子たちが処刑された!
薬子の変で藤原仲成が処刑されて以来、346年間も行なわれていなかった死刑が執行されたのだ」
銀河総裁「うー、一方の香川県議会じゃが、条例可決後も引き続き異常じゃった」
「あー、パブリックコメントは、条例が採決された後、条例を審議し終わった検討委員たちにだけ公開された。これだけでも十分奇妙な話じゃ。
それだけではない。検討委員たちは、その内容を口外しないよう駄目を押された。メモを取ることも禁止された」
「うー、あまつさえ、『万が一パブリックコメントの内容が外に漏れた場合、閲覧した委員全員が連帯責任を負う』旨の書類を渡され、これに署名するよう指示されたんじゃと」
「あー、どうも香川県の政治家たちは、他人を脅迫することに、良心の呵責を感じない者ばかりのようじゃ」
「うー、もちろん香川県にも情報公開制度があり、開示請求されれば、公文書の内容を公開せにゃならん。
複数のマスコミが開示請求を行ない、パブリックコメントの内容はあっさり一般公開された。その内容は既に君も知っじょるじゃろう」
崇徳天皇「保元・平治の乱を経て、権力を握った平家は、やがて滅びた。しかし県強付会は今もなお、相変わらず香川県を支配し続けておる。
県強付会が未だに栄耀栄華を極めているのは、源氏のような対抗勢力がないからだ。源義経のような者が現れて、県強付会と戦ってくれればいいのだが」
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※この作品はフィクションです。実在する人物・場所・団体等とは関係ありません。
観音寺市選挙区
定数 3 立候補者 3 (無投票当選)
ゲーム規制条例に
賛成議員 2 反対議員 1 中立議員 0
参考資料
「ゲームは平日60分まで」はどのようにして決まったのか 香川県「ゲーム規制」条例案、検討委の1人にこれまでの経緯を聞いた(ねとらぼ)
香川ゲーム条例、パブコメ原本を入手 賛成意見「大半が同じ日に投稿」「不自然な日本語」――あらためて見えた“異常”内容(ねとらぼ)
「ゲーム障害」の認定根拠となる文献をWHOが示せず。専門家の問い合わせから波及(AUTOMATON)
よろしければこちらもお読み下さい(ゲイムマン(府元晶・竹谷新)による解説)
「ゲーム脳」とは何か? ~「日本人として非常に恥ずかしい」
(一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)『テレビゲームのちょっといいおはなし・3』より)
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