2000年2月12日。8時30分、東京駅発のバスはほぼ満員。
座席は確保できたので、駅で買ったBLTサンドを食べて朝ごはん。
前回乗ったバスとは違い、大栄から先は東総道路を通って、旭経由で銚子へ向かう。
東総道路を抜けた先に、「ようこそインターネット情報発信の町 山田町へ」の看板が。
農地ばかりが広がる所だが、だからこそ、情報収集やショッピングなど、ネットが役立つ場面は多いのかもしれない。
(※「人口の少ない土地でネットが役立つ」なんて、今ではわざわざ書くほどのこともない常識だけど、この時代、インターネットはまだ都市部の若者のものというイメージが強く、こうしてネットの積極的な活用をうたう地方の町は少なかった。
なお山田町は2006年に、佐原市、小見川町、栗源町と合併して、香取市となっている)
乗客全員が銚子へ行くのかと思いきや、途中でけっこう人が降り、東芝町(ひがししばちょう)に着いたころには、3分の2くらいになっていた(10時42分着)。
しかしここで降りる人は多くなく、大半は終点の、犬吠埼京成ホテル(現・絶景の宿 犬吠埼ホテル)へ向かうお客さんのようだ。
東芝町から銚子駅まで歩き、11時10分発の銚子電鉄で、前回たどり着けなかった海鹿島駅へ。
今回も1日乗車券「弧回(こまわり)手形」を使用。
車内は観光客とみられる人々で混んでいる。
ご年配の一団が、木造の車両を珍しがっている様子。
笠上黒生(かさがみくろはえ)で上り電車を待つ間、電車の前で記念撮影をするカップル有り。
上り電車がやってきて、こちらの運転手さんにタブレットらしきものを手渡す。
タブレットとは、単線の鉄道で、同じ線路に両方から列車が来ないように、運転手に渡す通行証のこと。
現在は単線でも、列車を自動的に検知するシステムを導入している路線が多いが、銚子電鉄にはこれがないようで、古くからのタブレット受け渡しが行われている。
(※正確には、ここから先は列車が1編成しか入れないスタフ閉塞式らしい)
タブレットと引き換えに、こちらから上り電車に、車掌さんが乗り移っていった。
しかも相対式ホームなので、車掌さんはホームを通らず、こちらの運転席から向こうの運転席に直接移動。
海鹿島(あしかじま)('00.2.12)
11時22分、海鹿島駅に到着。
弧回手形によると、ここは関東最東端の駅だそうだ。
海へ向かって歩くこと10分、前回も訪れた、海鹿島海水浴場へ。
そこから海沿いに南へ進むと、ごつごつした岩場から一転、なだらかな砂浜の海岸が姿を現した。
君ヶ浜しおさい公園。
右側に小さく見えるのは犬吠埼灯台。
大晦日にはここが、初日の出を拝む人でいっぱいになったようだ。
現在は、そこまで多くはないものの、家族連れを中心に、そこそこの人出はある。
上の写真に写っている3人の人影が、だんだんこちらに近づいてくる。
逆ドリカム構成、つまり女2人、男1人の学生さん風。
(※「ドリカム編成」という言葉も、DREAMS COME TRUEが3人組じゃなくなってから死語になってしまった)
3人は私の横を通り過ぎると、そのまままっすぐ、後方の細い道を歩いていく。
地図で確認すると、あの先にあるのは確か、銚子電鉄の君ヶ浜駅。
私もその駅が見たいので、彼らの後についていった。
約5分で駅に着いた。
君ヶ浜
いやもう、歩いてる途中からこのゲートは目についたんだが、こうして間近で見ると、その大きさと奇妙さに圧倒される。
3人組がこのゲートを見て、どんな反応を示すのか、ひそかに注目していたのだが、どうも地元の人だったようで、特に反応はなかった。
何が奇妙って、このゲート、駅舎ではない。
それどころか、こんなゲートがありながら、この駅には駅舎がない。
白亜の大アーチと、プレハブの待合室を持った無人駅(笑)。
ホームに行くまで、駅名がどこにも書かれてないってのがまた笑える。
いつまでもこのまま、ツッコミがいのある状態で、残っていてほしいもんだ。
(※残念ながら、2007年にこのゲートは撤去されてしまい、柱のみが残っている。
最近では命名権により、副駅名が「ロズウェル」となったことで話題に。UFOの目撃情報が多いのだとか)
銚子電鉄の駅舎のコンセプトは、「ツッコまれてナンボ」なのかもしれないと思った。
この君ヶ浜といい、スイス風の駅舎でたい焼きを売ってる観音といい、JRのホームの端っこで風車を回す銚子といい。
対照的にローカル駅の雰囲気丸出しの本銚子や西海鹿島といい。
実際、これらの駅舎を造ってから、鉄道ファンのみならず、一般マスコミでも話題になったそうだから、このコンセプトは大正解といえるだろう。
再び公園に戻り、海岸伝いに犬吠埼を目指す。
ユニホーム姿の球児たちが、砂浜を走っている。
下の海岸はこんな感じ。
やはり灯台の近くになると、人出がどっと激しくなる。
灯台入口みさき亭着が12時32分。
ちょうどカメラのフィルムが切れたので、ここのおみやげ屋さんで補充しよう。
※最新の「日本縦断紀行」はこちら。
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2023年01月20日 14:33